貸借対照表:資産
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
資産とは、過去の出来事の結果として会社が管理し、将来の経済的利益が事業体に流れると予想される資源です。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2018-06-30), 10-K (報告日: 2017-06-30), 10-K (報告日: 2016-06-30), 10-K (報告日: 2015-06-30), 10-K (報告日: 2014-06-30), 10-K (報告日: 2013-06-30).
- 総資産の推移
- 2013年から2018年にかけて、総資産は一時的に減少したものの、その後に回復し、最終年度(2018年)には前年度比で増加している。これにより、資産総額は全体として堅調に推移していることが示されている。
- 流動資産と現金及び現金同等物
- 流動資産は2013年の1万5570百万ドルから2018年の1万9333百万ドルまで増加している。一方、現金及び現金同等物は全期間を通じて変動が見られるが、2018年には最も高値に達し、流動資産の増加に寄与している可能性がある。特に、2017年から2018年にかけての現金増加は注目される。
- 売掛金(純額)の動向
- 売掛金は2013年の約5459百万ドルから2018年には7120百万ドルへ増加しており、回収可能な売掛債権が拡大していることを示している。特に2014年から2015年にかけて一時的に減少したが、その後再び増加し、売掛金の回転や売上高の成長を反映している可能性がある。
- 棚卸資産の変動
- 棚卸資産は2013年の2784百万ドルから2018年には3669百万ドルに増加している。特に2014年から2016年にかけては大きな変動は見られず、安定して増加している傾向にある。これにより、在庫管理や商品供給の拡大が示唆される。
- 投資関連資産
- 持分法適用投資やその他の投資は、いずれも全体的に増加傾向を示している。持分法適用投資は2013年の3189百万ドルから2018年には3494百万ドルまで増加しており、投資活動の拡大が継続していることが示されている。一方、販売可能証券は一時的に減少した後、再び増加しており、投資ポートフォリオの見直しや再配分を示唆している。
- 固定資産の変化
- 有形固定資産(プラント類および設備)は基本的に横ばいかやや増加傾向を示している一方、無形固定資産は2014年に大きく増加したが、その後若干減少を示している。特に無形資産の減少は、買収の減速やアセッツの減耗を反映している可能性がある。
- 好意(のれん)の動き
- 好意は2013年から2018年にかけて一貫して高水準を維持しており、約1億2千7百シルドルから1億8千万円の範囲で変動している。これは過去の買収活動による無形資産の蓄積を示していると考えられる。近年の安定した水準維持は、過去の買収活動の影響を受け続けていることと解釈できる。
- 全体の傾向と解釈
- 全体的に見ると、会社の資産規模は堅実に成長している。流動資産と投資資産の増加は、運転資金の拡大や資産運用への積極的な取り組みを示唆している。一方、無形固定資産やのれんに関しては、高水準を維持しつつもやや減少する傾向が見られ、資産構造の変化により戦略的な調整を行っている可能性がある。これらのパターンは、企業が積極的に資産管理と投資を進めながら、必要に応じて資産の見直しを行っていることを反映していると考えられる。