損益計算書の構造
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Motorola Solutions Inc.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 売上構成の変化
- 2019年から2023年にかけて、製品売上高の割合は20ポイント以上の増加を示し、全売上高の約55%台から約58%台に上昇している。一方、サービス売上高の割合は逆に減少傾向にあり、約44%台から約42%台へと縮小している。この動きは、製品販売の比重が高まるとともに、サービス収益の相対的な重要性がやや低下していることを示唆している。
- 売上総利益率とコスト構造
- 売上総利益率は2019年から2023年にかけて概ね横ばいで推移し、49.8%前後を維持している。製品売上原価とサービス売上原価の割合はともに変動しており、2022年には製品原価の比率がやや増加し、売上総利益率の一時的な低下に寄与したが、その後は回復基調にある。販売費および一般管理費率は全期間を通じて約15.6%〜17.8%に安定していることから、経営効率は比較的安定していると評価できる。研究開発費も売上高の約8.5%〜9.3%の範囲で推移し、同社の技術革新努力を反映している。
- 営業利益と純利益
- 営業利益率は2019年の20.05%、2021年の20.4%に近い水準を維持し、2023年には大きく改善し22.99%となった。これはコスト管理の改善と売上高の増加によるものである。税引前当期純利益は2019年の12.69%、2021年には最大の18.99%を記録し、2023年には21.51%まで増加しており、利益率の向上が明らかである。特に2023年は、その他のネットや特定の利益項目の増加が寄与したと考えられる。
- 財務活動およびその他の要素
- 外貨損益やデリバティブ損益などの金融関連費用・利益は、年によって変動が見られるが、2023年には一部の項目で黒字化している事例もある。特に外貨損失が前年比で減少し、逆に外貨利益が出ている点が示すのは、為替リスク管理の改善や、市場環境の変化に対応したとも解釈できる。投資および事業の売却益も限定的ながらプラスに寄与している。
- 特定項目と一時的要素
- 事業再編や映像製造事業の終了、法的和解に関連する費用・利益は、相対的に少額でありながらも、2022年に一部大きな損失や利益が見られることから、事業構造の見直しや法的対応の影響を反映している。特に米国の年金和解により大きな利益を計上した2020年は、一時的な特殊要素による利益の増加と考えられる。
- 当期純利益
- 当期純利益は年々増加傾向にあり、2019年の11.04%、2023年には17.18%を超え、収益性の向上が示されている。利益の増加は、売上高の増加およびコストコントロールの改善、ならびに一部の特殊利益の積極的な計上によるものであり、全体的に経営効率の向上につながっていると評価される。