貸借対照表の構造:資産
Alphabet Inc.、連結貸借対照表の構成:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 現金および現金同等物の比率の推移
- 2020年から2024年にかけて、総資産に占める現金および現金同等物の割合は減少傾向にある。特に2021年に比べて2022年以降はわずかながら全体の割合が低下しており、流動性資産の相対的な比重が縮小していることが示唆される。
- 有価証券の比率の変動
- 有価証券の割合は、2020年の34.49%から2024年には16.03%に減少した。この間、2022年には最も低い25.16%に下落しており、キャッシュや流動性資産の比率と比較して大きく縮小していることから、投資戦略の見直しや資産の流動性の変化が示唆される。
- 流動資産の割合の動向
- 流動資産の総資産に占める割合は、2020年の54.53%から2024年の36.36%まで減少している。この傾向から、短期資産の比率が縮小し、固定資産や長期投資の相対的な比重が増加していることが読み取れる。
- 売掛金の割合の推移
- 売掛金の割合は、2020年から2024年にかけてやや増加傾向にある。2020年の9.68%から2024年の11.62%へと上昇しており、売掛金の比率の増加は、販売・収益に対する回収の遅延や取引先の増加を示す可能性がある。
- その他の流動資産と固定資産の動き
- その他の流動資産の割合は徐々に増加し、2024年には3.49%となった。一方、有形固定資産は2020年の26.52%から2024年には37.99%に増加している。特に固定資産の比率の上昇は、企業が資産基盤の強化や長期的な資産投資を進めていることを示す。
- 固定資産の構成の変化
- 固定資産の合計比は2020年の45.47%から2024年には63.64%に拡大し、内訳では有形固定資産やその他の固定資産の比重が増加している。特に有形固定資産の割合は、資産の質的向上や長期的な資産運用戦略の一環と考えられる。
- 負債や税金の調整に関する変化
- 繰延法人税の比率は2020年の0.34%から2024年には3.82%に増加し、税務上の評価や負債管理の変化を反映している可能性がある。一方、非市場性有価証券の割合は比較的安定しつつも増減を繰り返している。
- 総合的な資産構造の変化
- 全体として、短期流動性資産の比率は減少し、長期資産の比率が増加していることから、資産の資産構造がより長期的な安定や投資に重きを置いていることが示唆される。これにより、企業の資産運用戦略の中長期的な方向性が読み取れる。