包括利益計算書
包括利益とは、非所有者の源泉からの取引やその他のイベントや状況による、期間中の企業の資本(純資産)の変化です。これには、所有者による投資および所有者への分配に起因するものを除き、期間中の資本のすべての変動が含まれます。
CrowdStrike Holdings Inc.、連結包括利益計算書
千米ドル
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-01-31), 10-K (報告日: 2024-01-31), 10-K (報告日: 2023-01-31), 10-K (報告日: 2022-01-31), 10-K (報告日: 2021-01-31), 10-K (報告日: 2020-01-31).
- 当期純利益の推移
- 2020年から2022年までの三年間は、純利益または損失は負の値を示し続けており、特に2022年には大きな赤字（-232,378千米ドル）が記録されている。2023年には黒字へと回復し、90,585千米ドルの利益を計上しているが、その後は2024年に再び損失（-16,596千米ドル）が生じている。これにより、収益性の一時的な改善とその後の変動が観察できる。
- 包括利益の動向
- 包括利益も同様に、2020年から2022年まで大きな損失を示し、2022年には-235,937千米ドルと大幅に低迷している。2023年には黒字に転じて約89,941千米ドルの包括利益を計上したが、2024年には再び損失に転じ、-24,526千米ドルとなっている。非支配持分に帰属する包括利益も少額ながら変動を示しており、全体的な収益性の改善とその後の変動を反映していると考えられる。特に、2023年の黒字回復は顕著であるが、その持続性には疑問が残る。
- 外貨換算調整額の変動
- 外貨換算調整額は、2021年に大きく増加し、その後2022年以降は再びマイナスに転じている。この変動は、為替レートの変動に起因するものと推測され、財務指標に一定の影響を及ぼしている可能性がある。特に、2025年には-8,631千米ドルと大きくマイナスとなっている点が注目される。
- 未実現利益および損失の変動
- 現金同等物および短期投資の未実現利益は、2020年に1321千米ドルの利益を記録した後、2023年に再び50千米ドルの損失を出したが、その後は2025年に701千米ドルの利益に回復している。その他の包括利益も、多くの変動を示しており、2022年以降は損失の傾向にある。これらは投資評価損益の変動を反映し、投資ポートフォリオのパフォーマンスや為替変動の影響を受けていると考えられる。
- 総括
- 全体として、2020年から2022年にかけては損失が続いていたが、2023年に入り収益性が回復し、一時的に黒字へと転じている。しかしながら、その後の2024年に再び損失を計上し、利益の持続には課題が残る状態である。為替変動や投資評価の変動により、包括利益の振れ幅が大きくなっている点も留意すべきである。今後は、これらの動向を踏まえ、財務の安定性と収益性の持続性に注視する必要がある。