貸借対照表:負債と株主資本
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-01-31), 10-K (報告日: 2024-01-31), 10-K (報告日: 2023-01-31), 10-K (報告日: 2022-01-31), 10-K (報告日: 2021-01-31), 10-K (報告日: 2020-01-31).
- 総負債の推移と負債比率の変化
- 総負債は、2020年から2025年にかけて一貫して増加し続けており、2020年の約66.2億ドルから2025年には約538億ドルに達している。負債の内訳では、長期負債や流動負債の両方が著しく拡大している。また、負債比率(負債/株主資本)はおよそ0.89から1.63へと上昇しており、負債依存度の高まりが見て取れる。これにより、資本構成はレバレッジをより強化する形となっている。特に長期借入金が累積し、総負債に占める割合が拡大している点が留意される。
- 株主資本の変化と株主資本比率
- 株主資本は2020年の約7.42億ドルから2025年には約33.19億ドルへと増加しており、期間全体を通じて安定的な増加を示している。特に追加資本金の増加が著しく、累積赤字は引き続きマイナスの状態にあるが、株主資本の増加によって相殺されている。株主資本比率(総資産に対する株主資本の割合)は約53%から約38%に低下しているが、依然として資本の増加が負債増加を補っている状況である。
- 流動負債と短期的支払義務の傾向
- 流動負債は2020年の約4.93億ドルから2025年には約34.6億ドルへと増加。特に未払費用や未払いコミッションなどの項目が大きく拡大している。これにより、短期的な支払義務や流動負債の増加ペースは速く、流動比率が低下する可能性も示唆されるため、短期支払い能力への注意が必要となる。
- 繰延収益の顕著な増加と事業活動の拡大
- 繰延収益は2020年の約41.3億ドルから2025年には約273億ドルに倍増以上増加しており、事業の拡大とともに前受収益の蓄積が進んでいることが示されている。これは、販売や契約による収益の積み増しと関係しており、収益基盤の拡大を反映していると考えられる。
- 非流動負債およびその他の負債の増加
- 非流動負債は2020年の約1.69億ドルから2025年には約19.21億ドルへと増加している。特にその他の負債が著しく増大しており、事業の長期的資金調達やリース負債の拡大と関連している可能性が高い。これらの増加により、企業の財務構造はよりレバレッジを効かせたものに変化している。
- 収益性の観点と赤字の動向
- 累積赤字は引き続き負の状態にあり、2020年の約6.37億ドルから2025年には約10.78億ドルに拡大。ただし、株主資本の増加によって絶対的な赤字額は相対的に緩和されているものの、依然として損失が継続している状況にある。総じて、収益性の改善は観測されず、事業規模の拡大に伴い財務負担も増加していると見られる。
- 総資産と資本構造の全体像
- 総資産は2020年の約14億万円から2025年には約87億万円へと拡大しており、資産規模も大きくなる一方で、資産の増加は主に負債と株主資本の双方によるものと理解される。全体として、負債と株主資本がともに増加し、企業の財務基盤は拡大しているものの、負債の増加ペースも顕著であるため、財務安定性の観点からは注意を要する。