貸借対照表の構造:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 20-F (報告日: 2018-12-31), 20-F (報告日: 2017-12-31).
- 負債の構成と変動傾向
- 全期間を通じて負債の比率は増加傾向にあり、2021年には負債比率が67.55%に達している。特に長期借入金の比率は、2017年の24.18%から2021年には50.67%まで増加しており、長期負債の増加が顕著である。一方、流動負債の比率は一時的に増減を見せながらも、2021年には11.75%と比較的安定した水準にある。未払いの法人税や報酬福利厚生など特定の流動負債の比率も増加していることから、短期負債に関しては未払い負債の増加を示唆している。
- 資本金および株主資本の動向
- 負債比率の増加に伴い、株主資本の比率は2017年の56.25%から2021年の31.29%へと大きく低下している。額面資本の比率は比較的安定しており、資本超過(額面金額を超える資本)の比率も高水準で維持されているが、ピーク時の75.86%から2021年には65.79%へ低下している。自己株式の比率がマイナス値で示されているが、これは自己株式の控除を反映しており、減少幅も一定である。
- 純資産と損益の状況
- 累積赤字は2017年の-9.73%から2021年には-25.74%に進行しており、累積的な損失が負債とともに増大している。包括利益の累計額も減少傾向にあり、収益性や資産増加の勢いは鈍化していると考えられる。また、自己株式の比率のマイナス値も、株主価値の希薄化や自己株式買入れの可能性を示唆している。
- 総資本および全体の財務構造
- 総資本比率は2017年の57.03%から2021年には32.45%へと減少しており、総資本に占める負債と株主資本の比率変化により、負債依存度が高まっていることが示されている。負債の増大と負債比率の上昇が全体の財務構造に影響を与えており、企業の財務のリスクが高まっている可能性がある。