損益計算書の構造
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2015-12-26), 10-K (報告日: 2014-12-27), 10-K (報告日: 2013-12-28), 10-K (報告日: 2012-12-29), 10-K (報告日: 2011-12-31).
- 売上高の割合と動向
- 売上高に占める販売の割合は年々高水準で推移し、2011年から2015年まで約86%前後を維持していることから、主要な収益源として持続性が認められる。一方、フランチャイズ料とライセンス料の割合は13%台を維持し、主にロイヤリティ収入に依存した事業構造が継続していると考えられる。
- コスト構造の変化
- 食品と紙に係るコストはおおむね一定の割合(約-28%前後)で推移し、コスト圧縮の努力や効率化が一定程度図られていることが示唆される。給与および福利厚生費用は約19%台で安定して推移し、従業員コストの一定性を示している。運営費に関しては約-24%から-26%の範囲で変動し、経費管理が継続されていると考えられる。
- 経営費用と利益の傾向
- 会社のレストラン経費は常に約72%台で推移しており、収益に対する比率は高い水準にある。一般管理費は11%未満に抑制されており、効率的な管理体制が維持されている。閉鎖・減損費用は変動が見られ、特に2014年に大きな増加を示したが、その後は低水準に回復している。リフランチャイズゲインは2012年にプラスに転じ、その他の収入も安定的に一定割合を占めている。
- 特殊項目と為替の影響
- Little Sheepの買収や中国家禽供給に関連する利益は、一部の年度で寄与していることが見て取れる。また、為替損益や航空機売却に伴う損失などの特殊項目は、収益への影響を限定的にとどめているが、円高の進行により2020年頃まで損失が拡大傾向にあった可能性が示唆される。その他の収入としては比較的安定しており、収益全体への影響は限定的といえる。
- 営業利益と純利益の推移
- 営業利益率は、2012年に16.83%とピークを迎え、その後2014年に11.73%に低下したが、2015年には14.66%まで回復している。これにより、収益性の一時的な変動はあったものの、全体としては継続的な改善の兆しが見て取れる。税引前利益や純利益も同様に、年度による変動はあるが、2015年にはやや回復基調を示している。このことは、コスト管理と収益性の両面での一定の効果が現れていると解釈できる。
- 総合的な評価
- 全体として、YUM! Brandsの財務構造は安定性を保ちつつ、一定の収益性を維持している。コスト管理や経費のコントロールは有効であり、利益率も年々一定程度の回復傾向にある。外部要因や特殊項目の影響もありつつも、基本的な営業戦略は堅調に推移していると考えられる。