損益計算書の構造
Starbucks Corp.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-09-29), 10-K (報告日: 2023-10-01), 10-K (報告日: 2022-10-02), 10-K (報告日: 2021-10-03), 10-K (報告日: 2020-09-27), 10-K (報告日: 2019-09-29).
- 売上構成の変動傾向
- 直営店の純収益に占める割合は、2019年度から2024年度まで概ね安定しており、約81%から82%台で推移している。これに対し、ライセンスストアの割合は2019年度には10.85%だったが、2019年度以降は増加傾向にあり、2024年度には12.45%となっている。他方で、「その他」の収益比率はやや減少傾向にあり、常に5%台で推移している。
- コスト構造の変化
- 製品および流通コストは、純収益に対して約-30%から-33%の範囲で推移し、全体的に安定性を見せている。店舗運営費は、2019年度に-39.59%と比較的高い割合を示した後、2020年度に一時的に増加し-45.77%を記録したが、他の年度では40%台前半で推移している。収益コストについては、一時的に78.49%まで上昇した後、70%台に落ち着き、安定したコスト管理が示唆される。
- 収益性の留意点
- 粗利益率は、2019年度の28.25%から2020年度の21.51%に大きく低下した後、2021年度には28.87%に回復し、その後も概ね27%台で推移している。営業利益率は2019年度に15.38%を記録した後、2020年度には6.64%へ大幅に低下したが、2021年度には16.77%と回復し、その後も14%台から16%台の範囲で推移している。これらの動向は、2020年度に一時的な収益性の圧迫があったことを示唆している。なお、税引前当期純利益率も同様の傾向を見せており、2020年度の4.95%から2021年度の18.43%へ回復している。
- その他の収益とコスト
- 株式投資先からの収入は年間を通じて0.73%から1.37%の範囲で安定している。一方、資産売却益は2024年度に0.25%を記録したが、それ以前の年度には示されていない。減価償却費と一般管理費は、すべての年度において一定範囲内で推移し、相対的な安定性を示している。リストラクチャリングと減損に関しては、2020年度に一時的に1.19%まで増加したが、その後は低水準に収まっている。
- 純利益の動向
- 非支配持分を含む当期純利益率は、2019年度に13.56%から2024年度には10.4%へと若干の減少傾向を示している。スターバックスに帰属する当期純利益も同様に、2019年度の13.58%から2024年度の10.4%に若干の下降を見せているが、全体的には安定した収益性を保っていることが読み取れる。特に2020年度には低迷したが、2021年度に回復している点も重要なポイントである。
- 総合的な評価
- 全体として、売上構成は直営店が大部分を占めつつも、ライセンスストアの比率が緩やかに増加していることから、外部展開の拡大や事業モデルの多様化が進行していると考えられる。コスト構造は比較的安定しており、収益性も年度間で変動があるものの、2021年度以降は概ね回復基調にあり、収益性の安定性が示唆される。利益率の低下は2020年度の一時的な要因と考えられ、今後の収益拡大とコスト管理の改善次第で、さらなる業績向上が期待される。