貸借対照表の構造:資産
四半期データ
レポートに基づく: 10-Q (報告日: 2025-03-31), 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-Q (報告日: 2024-09-30), 10-Q (報告日: 2024-06-30), 10-Q (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-Q (報告日: 2023-09-30), 10-Q (報告日: 2023-06-30), 10-Q (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-Q (報告日: 2022-09-30), 10-Q (報告日: 2022-06-30), 10-Q (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-Q (報告日: 2021-09-30), 10-Q (報告日: 2021-06-30), 10-Q (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-Q (報告日: 2020-09-30), 10-Q (報告日: 2020-06-30), 10-Q (報告日: 2020-03-31).
- 現金および現金同等物
- 2020年3月期において総資産の15.37%を占め、以降一時的に増加し2020年12月には27.72%に達した後、2021年3月から一定程度の変動を示している。特に2024年3月には22.83%に増加し、その後2024年6月と2024年9月にかけて再度高水準を維持している。これは流動性の確保を目的とした現金保有の戦略的な調整を示唆している。
- 短期投資
- 総資産に対する割合は2020年3月の33.19%をピークに、その後一時的に低下するものの、長期的には低迷を続ける。2024年6月には26.69%と低下し、2024年12月に最も低い4.73%を記録した。一方、2025年3月には10.23%に回復しており、短期資産の比率変動が大きいことから、資金運用において戦略的な見直しや市場環境の変化に対応した調整が行われている可能性がある。
- 売掛金、純額
- 総資産に占める割合は比較的安定しており、大きな変動は見られない。2020年9月と2021年12月にやや増加傾向を示した後、2024年時点では約5.77%に落ち着いている。これは売掛金の回収力や信用管理が一定の水準を保っていることを示唆している。
- 在庫
- 全期間を通じて増加傾向にあり、2022年3月には20.14%に達し、その後やや減少しつつも2023年3月には11.6%にまで縮小している。2024年には再び大きく減少し、11.95%を記録している。これらの変動は需給動向や生産戦略の調整を反映している可能性がある。
- 流動資産の割合
- 全期間を通じて総資産に占める流動資産の比率は70%台後半から80%台前半まで変動し、2024年3月には主要な減少を示し43.27%にまで下落した。その後、2024年12月には46.99%に回復している。流動資産の比率の変動は、資産の流動性管理の戦略や資金調達・運用の方針の変化を反映していると考えられる。
- 有形固定資産、ネット
- 総資産に占める割合は全体として緩やかに縮小傾向を示し、2020年3月の23.5%から2025年3月には13.86%に減少している。この傾向は、従来の固定資産からの資産構成の見直しや、資産の償却・売却を伴う資産の入れ替えを示唆している可能性がある。
- 買収関連の無形固定資産、純額
- 2023年以降においてわずかながら増加し、2023年3月以降は約0.25%から0.4%の範囲で推移していることから、企業買収やM&A活動に伴う無形資産の積み増しが行われていることを示唆している。これにより、企業の成長戦略および市場シェア拡大のための資産管理の一環と考えられる。
- 長期資産の構成
- 総資産に対する長期資産の割合は2020年時点約30%から徐々に低下し、2025年3月には約24%にまで縮小している。特に「その他の長期資産」の割合が一時的に高まり、資産多様化や投資活動の変化を示唆している。これらの傾向は、長期投資や資産の最適化の新たな戦略を反映している可能性がある。
- 総合的な見解
- これらのデータから、企業は短期的な流動性確保と資産運用の最適化を積極的に推進していると考えられる。高い流動資産比率と在庫の増減動きは、販売および生産活動の変動に対応した戦略調整の結果と推測される。一方、固定資産や無形資産の比率変化は、資産構成の見直しと成長戦略の変化を反映しており、資産負債管理においてバランスを取ることに注力していることが示唆される。