貸借対照表:資産
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
資産とは、過去の出来事の結果として会社が管理し、将来の経済的利益が事業体に流れると予想される資源です。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-03-31), 10-K (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-03-31).
- 総資産の推移
- 2020年度から2023年度にかけて総資産は着実に増加しており、2023年度には大幅な伸びを示している。ただし、2024年度以降は総資産が大きく減少しており、2025年度には再び増加傾向にある。これは資産規模の変動が激しいことを示しており、特定の資産項目の大幅な変動に起因している可能性がある。
- 流動資産の動向
- 流動資産は2020年度から2023年度にかけて増加しているが、2024年度には大きく減少し、その後2025年度には回復している。特に現金および現金同等物の変動が顕著であり、2023年度には大きく減少したが、その後回復している。短期投資も同様の動きを見せており、現金流動性の変動が見て取れる。
- 現金および現金同等物の傾向
- 2020年度から2022年度にかけて安定した増加を見せていたが、2023年度には大きく減少し、その後2024年度にはさらに大きく減少した。2025年度に回復していることから、一時的な資産の流動性確保や投資戦略の変更による影響と考えられる。
- 固定資産及び有形固定資産の変動
- 固定資産は2020年度から2023年度にかけて継続的に増加し、2023年度には約1億3,354万千米ドルに達したが、2024年度以降は大きく縮小している。これは資産売却や減損処理があった可能性を示唆しており、資産の資本効率や投資戦略の見直しがあった可能性も考えられる。
- 無形資産およびソフトウェア開発コスト
- 無形資産は大きく増加しており、特に好意やその他の無形資産が2023年度にかけて著しく拡大している。ソフトウェア開発コストも増加傾向にあり、事業の成長や新規プロジェクトへの投資を反映している可能性がある。
- 資産多角化と変動要因
- 資産の内訳を見ると、流動資産と固定資産の両方で大きな変動が見られることから、資産の構成や戦略の見直しが行われていることが推察される。特に、資産の流動性確保や長期投資の見直しが影響している可能性が考えられる。また、長期制限付き現金等や繰延税金資産は比較的安定しており、財務の安全性確保に寄与していると認められる。
- 総合評価
- 全体的にみると、資産規模の拡大と縮小が周期的に反映されており、事業戦略や市場環境の変動に対応した資産管理を行っていると考えられる。特に、流動性と資産ポートフォリオの調整が重要なポイントとなっている。今後の動向については、最新年度の資産縮小局面からの回復と、投資の焦点がどう変化しているかを注視する必要がある。