損益計算書の構造
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-03-31), 10-K (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-03-31).
- ゲームの売上高の割合の推移
- 2020年度から2023年度までにかけて、ゲームの純売上高に占める割合はほぼ一定で推移しており、2020年度の100%から2023年度には88.52%までやや減少した。同年度以降、2024年度および2025年度には再び割合が高まり、2025年度には91.73%に回復していることが観察される。これにより、主力事業としてのゲームコンテンツの売上への寄与は、長期的に見ても比較的一定の水準を維持していると判断される。一方、広告の割合は2021年度以降、大きく増加し、2023年度には11.48%まで高まる傾向を示しており、マーケティング戦略の重点転換や広告投資の増加が反映されている可能性がある。
- 収益構造の変化
- 純収益に対する収益コストの割合は、2020年度から2023年度までにかけて約-45%から-57%へ増加し、コスト圧縮の改善傾向が見られる。粗利益率は2020年度の50.07%から2022年度には56.19%へ上昇したが、2023年度には42.72%に大きく低下し、その後2024年度には再び54.36%に回復している。これらの変動は、売上高の変動やコスト構造の変化を反映していると考えられる。特に、2023年度の大幅な粗利益低下は、コスト上昇、あるいは特定のコスト要因の増加を示唆している可能性がある。
- 販売・マーケティング・研究開発費用の動向
- 販売とマーケティングに関する割合は、2020年度の14.84%から2023年度には29.65%まで増加し、その後2024年度にはほぼ同水準の29.89%となっている。研究開発費も同期間において、9.6%から17.84%へ増加しており、企業は研究開発やマーケティングに対する投資を積極的に拡大しているとみられる。ただし、その分利益圧迫要因ともなっていることに留意する必要がある。
- 営業利益と損失の状況
- 営業利益(損失)は、2020年度の約13.77%の黒字から、2023年度には-21.78%、2024年度には-67.12%、2025年度には-77.94%と著しい経営悪化を示した。特に2024年度以降は、経営コストや運営費の増加、のれんの減損処理の拡大、事業再編コストの増加などが影響して、営業赤字が拡大していることが明らかである。これに伴い、当期純利益も同様に大きくマイナスへと転じており、経営環境の厳しさが表れている。
- その他の財務・税務項目の動向
- 利息および為替差益は比較的安定した範囲で推移しているが、2023年度以降は利息費用の増加や為替のマイナス影響により、純額の損失が拡大している。税引前利益・純利益ともに2020年度から2022年度までは一定の利益を示していたが、2023年度以降、大幅な損失に転じている。これは、営業損失の拡大とともに、税務上の調整や特定の会計処理による影響と考えられる。