損益計算書
損益計算書は、一定期間にわたる企業の事業活動の財務結果に関する情報を示しています。損益計算書は、会社が期間中にどれだけの収益を生み出したか、そしてその収益を生み出すことに関連してどのような費用がかかったかを伝えます。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-03-31), 10-K (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-03-31).
- 売上高の推移と内訳
- アイテム「純収益」は、2020年度から2025年度までの期間で安定的な増加傾向を示しており、特に2023年度以降は大幅に増加していることが観察される。2020年度の純収益は約30億米ドルであったが、2024年度には約53億米ドルに達し、約75%の増加を示している。これにより、売上高の拡大とともに、長期的な成長戦略が成功している可能性が示唆される。
- 販売・マーケティングおよび研究開発コストの変化
- 販売とマーケティング費用は、2020年度から2025年度にかけて増加傾向にあり、特に2023年度以降は大幅に増大している。2020年度の約4.6億米ドルから2025年度には約16.8億米ドルに増加している。コストの増加は、新たなゲームタイトルやマーケティング活動の拡大を反映していると考えられる。一方、研究開発費用も同様に増加傾向を示し、技術革新や新規ゲーム開発に対する投資が継続的に行われていることが伺える。2020年度の約3.0億米ドルから2025年度には約10億米ドルに増加している。
- 利益の変動と営業利益の状況
- 2020年度から2022年度までは営業利益が増加基調にあり、2021年度には約629百万米ドルと高水準を記録している。しかし、2023年度以降は大きな赤字に転じ、2024年度と2025年度はそれぞれ約-11.65億米ドルと-43.91億米ドルに達し、経営の厳しさが浮き彫りとなった。特に、2024年度に「のれんの減損」や「事業再編」といった項目で大きな損失計上が行われていることが、純利益の減少に影響していると考えられる。
- 純利益と税金の影響
- 当期純利益は、2020年度の約4.04億米ドルから2022年度の約4.18億米ドルと安定的に推移していたが、2023年度以降は大きくマイナスとなり、2024年度には約-37.44億米ドル、2025年度も約-44.79億米ドルの損失を計上している。税引前利益も同様に大きく悪化しており、税効果を考慮しても、経営状態の悪化と負の連鎖が続いていることが明らかである。所得税の給付の一時的な増減は、損失の圧縮や税務調整によるものであり、長期的には損失金額の拡大が継続している。
- 非営業項目とその他の観点
- 利息関連の収支や為替差損益、その他の項目は、2023年度以降は悪化または増大している。特に、利息費用の増加と為替差損の拡大は、資金調達コストや為替リスク管理の課題を示している。また、「公正価値調整による利益(損失)」も変動し、2022年度にはプラスに転じたが、2023年度以降はマイナス方向に推移している。これらの項目は、財務リスクや市況変動の影響を反映していると考えられる。
- 資本措置および特殊項目
- 2024年度の「のれんの減損」や「事業再編」費用は、大きな損失として計上されており、企業の資産価値や経営戦略の見直しを示唆している。これらの項目は、長期的な事業構造の変革や一時的な資産と負債の調整を目的としたものと推測される。これらの損失計上は、純利益の著しい悪化に寄与している。