包括利益計算書
包括利益とは、非所有者の源泉からの取引やその他のイベントや状況による、期間中の企業の資本(純資産)の変化です。これには、所有者による投資および所有者への分配に起因するものを除き、期間中の資本のすべての変動が含まれます。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-03-31), 10-K (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-03-31).
- 当期純利益の推移と傾向
- 2020年度から2022年度にかけて、当期純利益は堅調に増加し、2020年度には約404百万ドル、2021年度には約589百万ドルに達した。一方、2022年度には約418百万ドルとなり、その後の2023年度は大きく赤字に転じて約-1,124百万ドルと損失拡大を示している。2024年度及び2025年度には更なる赤字が続き、損失額はそれぞれ約-3,744百万ドル、-4,479百万ドルとなっている。これらの動向から、収益性の改善が一時的に見られた後、構造的な問題や外的要因により大きな赤字に陥っていることが示唆される。
- 外貨換算調整とその他の包括利益の動向
- 外貨換算調整は2020年度に-2,744千ドルと負の値を示したものの、その後の年度にはプラスに転じ、2025年度には6,700千ドルのプラスとなっている。これは為替レートの変動に伴う通貨換算の影響が変動していることを反映している。一方、その他の包括利益(損失)は2020年度には-2,118百万ドルだったが、2021年度に大きく改善し49,712千ドルのプラスを記録、その後は2022年度に-48,681千ドルに悪化した。2023年度には-56,000千ドルと再び大きな損失となり、2024年度と2025年度は8,200千ドルの利益に回復している。包括利益の変動は、特定の資産やヘッジ取引の評価差の大きな変動に起因している可能性がある。
- 収益への再分類とキャッシュフローヘッジに関わる調整
- 収益への再分類は2020年度および2021年度に-1,689千ドルおよび-1,933千ドルと記録されているが、その後の年度のデータは欠損しており、これらの調整の動向は不明である。実効キャッシュフローヘッジに対する税効果やキャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値変動は、2020年度においては有意に変動しており、税効果は775千ドル、ヘッジの公正価値変動は9,590千ドルのプラス、-4,905千ドルのマイナスを示している。これらはヘッジ関連の評価や税効果の変動を示すものであり、財務上の調整に影響を及ぼしている可能性がある。
- 有価証券の公正価値の変動とその他要素
- 有価証券の公正価値の変動は2020年度に-3,332千ドル、その後2021年度に3,364千ドルと大きく変動し、2022年度には-5,092千ドルとなったが、その後は2023年度に2,900千ドル、2024年度に1,500千ドルと、比較的安定した水準で推移している。これらの変動は、投資資産の評価や市場価格の変動を反映していると考えられる。包括利益の大幅な変動とともに、資産評価や為替換算の影響が総合的にビジネスの財務状況に影響を与えている。
- 全体的な包括利益の動向と分析
- 2020年度の包括利益は約383百万ドルであったが、2021年度には約639百万ドルと大きく増加している。しかし、2022年度以降は-1,180百万ドル、-3,736百万ドル、-4,470百万ドルと大きな損失に転じており、2024年度および2025年度には8,200千ドルの利益へと回復している。総じて、包括利益は一時的な回復を見せたものの、全体としては2020年度から2025年度にかけて大きな損失と不安定な推移を示している。これにより、財務戦略の見直しやリスク管理の強化が必要とされる可能性がある。