損益計算書の構造
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2019-08-31), 10-K (報告日: 2018-08-31), 10-K (報告日: 2017-08-31), 10-K (報告日: 2016-08-31), 10-K (報告日: 2015-08-31), 10-K (報告日: 2014-08-31).
- 売上高の構造と変動
- セールスは各年度にわたり基準値として100を維持しており、比較対象を示すための値として用いられている。売上原価の割合は2014年度から2019年度にかけて着実に増加し、75%近くにまで達していることから、売上に対する原価率の上昇が観察される。これに伴い、粗利益率は約28%から約22%へと低下しており、利益率の圧迫が進んでいることが示唆される。販売費及び一般管理費は相対的に低下傾向を示し、コスト管理の改善または効率化が進んでいる可能性を示すが、総じて粗利益の圧縮とコスト構造の変化が特色となる。
- 営業利益と株式収益の動向
- 営業利益は2014年度の約5.5%から2019年度には約3.7%へと低下しており、収益性の減少を示している。特に株式に関する収益については、以前の自己保有株式からの利益が2020年以降のデータで削除されているものの、AmerisourceBergenの株式収益は2016年以降継続して比較的小規模な割合で計上されている。これは株式持分の収益が一定の役割を果たしていることを示している。
- 純利益と税負担
- 利息と法人税引当金控除前利益は一定の水準を保ちつつ、2014年度の約4.9%から2019年度には約3.8%に減少。税引前純利益も同様に減少傾向を示し、当期純利益の割合は2014年度の約2.7%から2019年度には約2.9%へと維持されつつも、その後の2019年度以降はやや低下している。所得税引当金の割合は年々減少し、税負担の軽減が進む一方、純利益の圧迫要因となり得る。総じて、利益率の低下が続いていることが示され、収益性改善の必要性が浮き彫りとなる。
- その他の収入と費用
- その他の収入・費用は年度を通じて変動し、特に2015年度以降はプラスに転じている。支払利息は一定の範囲内で推移し、負債コストの安定性を示すとともに、税引後の持分法適用投資による利益も比較的小さな割合で推移している。非支配持分に帰属する純損失や利益はごくわずかであり、親会社株主に対する影響は限定的である。
- 総合的な見解
- 全体として、収益性の圧縮と原価率の上昇が顕著であり、利益率の低下が長期間にわたり継続している。但し、コスト管理の改善策や株式収益の安定した獲得により、利益構造の一部には改善の兆しも見られる。財務の効率化と収益性の向上に向けた戦略的な施策の継続が重要と考えられる。