貸借対照表の構造:資産
International Business Machines Corp.、連結貸借対照表の構成:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 現金および現金同等物
- 2020年から2024年にかけて、現金および現金同等物の総資産に占める割合は一時的に減少したものの、その後再び上昇し、2024年には約10.17%となっている。これにより、流動性資産の保持が堅調に推移していることが示唆される。
- 現金制限
- 現金制限の割合は全期間を通じて低水準で推移し、2022年から2024年にかけて特に低下していることから、現金の利用制限が緩和され、流動性確保に対する制約が減少している可能性がある。
- 有価証券
- 有価証券の割合は2020年をピークに2022年に少し増加したものの、その後減少し、2024年には再び増加している。これにより、資産の流動性向上や投資戦略の変動が反映されていると考えられる。
- 短期借入金および短期金融債券
- 短期借入金の割合は全体として減少傾向にあり、投資目的で保有される短期金融債券の割合は2021年をピークとし、その後安定した推移を見せている。これらの動きは短期資金調達や資金運用の戦略に変動があったことを示す。
- 売掛金およびその他の流動資産
- 売掛金やその他の流動資産の割合は2020年から2021年にかけて増加し、その後やや減少したが、2024年には再び増加傾向を示している。これにより、顧客取引の拡大や流動資産の調整が示唆される。
- 在庫および繰延コスト
- 在庫の割合は2020年から2023年にかけて減少したが、2024年にはやや増加している。一方、繰延コストは全期間を通じて減少し続けており、資産の効率的な活用やコスト管理の改善が見られる。
- 流動資産の割合
- 流動資産の総資産に占める割合は全期間にわたり一定の範囲で推移し、2024年には約25.14%となっている。これは、資産構成の安定性と流動性確保の継続的な努力を示している。
- 有形固定資産・無形固定資産
- 有形固定資産の割合は2020年から2024年にかけてやや減少しているが、固定資産全体の割合は比較的安定して推移している。一方、無形固定資産の割合は全体を通じて高い水準を維持しつつも、やや減少傾向にある。この動きは、資産構成の戦略的な変化や減損の可能性を反映していると考えられる。
- 年金前払式資産
- 2021年に大きく増加した後、その後減少傾向を示し、2024年には約5.46%となっている。これは年金資産の運用や会計処理の変動に起因している可能性がある。
- 総合的な資産構成の傾向
- 全体として、現金および流動性資産の割合は安定的に高まりつつあり、投資や流動性管理が強化されている。また、長期資産については、資産構成の多様化と安定性を保ちながら、無形資産や固定資産の比率に変動がみられる。これらの動向は、企業が資産の効率的な運用とリスク管理を継続的に追求していることを示唆している。