貸借対照表の構造:負債と株主資本
Medtronic PLC、連結貸借対照表の構成:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-04-25), 10-K (報告日: 2024-04-26), 10-K (報告日: 2023-04-28), 10-K (報告日: 2022-04-29), 10-K (報告日: 2021-04-30), 10-K (報告日: 2020-04-24).
- 総資本の推移と構成
- 2020年から2024年にかけて、総資本の割合は安定した範囲内で推移しており、2022年にわずかに増加しています。2025年には割合が55.44％に低下しており、資本構成の変化が示唆される。負債および資本の合計が常に100％となっているため、全体的な資本構成の変動が明確に反映されています。
- 負債比率の傾向と内訳
- 負債の割合は2020年の43.9％から2024年の43.19％まで横ばいにあり、総じて安定した水準にある。ただし、2025年に47.36％に上昇しており、負債負担の増加を示している。流動負債は2020年の11.43％から2024年の11.99％付近を維持し、短期的な負債の比重が高い。一方、非流動負債は20％台後半から30％台まで変動しており、長期負債の比率は一定の範囲内で推移している。
- 長期借入金と負債比率の動向
- 長期借入金の負債比率は2020年の24.28％から2024年の26.6％へ上昇しており、長期借入の比重が増加している傾向にある。2025年には27.97％となり、長期借入金の継続的な増加が見て取れる。この動きは、資金調達手段の長期化や財務戦略の変化を反映している可能性がある。
- 株主資本の変動と構成の変化
- 株主資本の割合は2020年の55.95％から2023年の56.61％に少し上昇し、その後2025年には52.38％に低下している。追加資本金の割合は、2020年の28.85％から2025年の22.72％へ減少しており、新規株式の発行が減少した可能性がある。一方、剰余金は持続的に増加し、資本の蓄積を示している。その他包括損失累計額は負の値で推移し、資本の一部としてマイナス要因を示唆している。
- 流動性と短期負債の状況
- 流動負債は2020年の11.43％から2024年の9.95％まで推移し、全体として一定の範囲内に留まっているが、2025年に14.05％に増加していることで、短期的な支払負担の増加を示す可能性がある。未払報酬、未収所得税などの短期負債は比較的安定しているものの、未収所得税の割合が年々増加し、税務関連の負担が広がっていることも検討課題となる。
- 総じてみた財務構造の特徴
- 全体として、負債比率は安定傾向にありながらも、2025年に向けて増加していることから、財務のレバレッジを強める動きが見て取れる。一方、株主資本の割合はやや減少し、負債による資金調達の比重が高まる可能性を示唆している。資本の内訳や負債の内訳も変動しており、財務戦略の調整や経済状況の変化への適応が継続されていることが推察される。