貸借対照表の構造:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 負債構造の変化
- 2017年から2021年にかけて、総負債と株主資本に占める買掛金の割合は概ね増加傾向を示しており、2021年には3.26%に達している。一方、未払報酬の割合はやや低下傾向にあり、2017年の3.78%から2021年には3.15%へと減少している。流動負債の割合も全体として緩やかに減少し、2021年には13.14%と低下している。このことから、流動負債の比重が減少し、長期的な負債の比重が相対的に高まっていることが示唆される。
- 長期負債と非流動負債の動向
- 長期借入金の割合は2017年の29.69%から2020年に38.54%に上昇し、その後若干縮小しつつ36.01%に落ち着いている。非流動負債の割合は全期間を通じて高水準を維持し、2019年から2021年にかけて約43~47%の範囲で推移している。これにより、企業の負債は長期的な資金調達に依存する度合いが高くなっていることがうかがえる。
- 負債・資本比率の変動と財務健全性
- 総負債と株主資本に占める総負債の割合は2017年の55.04%から2020年には61.89%に増加したものの、その後2021年には57.04%へとやや縮小している。これに伴い、株主資本の割合は2017年から2020年にかけて低下した後、2021年に回復傾向を示している。同時に、剰余金や追加資本金の割合も変動し、資本構成の最適化が進められていることが推察される。
- 株主資本の変動要因
- 株主資本の合計は、2017年の44.96%から2021年には42.96%にやや増減している。特に、その他包括損失累計額はマイナスから縮小し、2021年にはマイナス幅が小さくなっていることから、包括損失に関連する負の評価が軽減されたと考えられる。また、剰余金の割合は比較的安定しているが、常に変動しており、企業の利益蓄積や配当施策などの影響を受けていると考えられる。
- 全体的な傾向
- 総じて、負債の長期化と長期負債比率の増加が見られる一方で、流動性の比重は低減しており、負債と資本のバランスは安定化の兆しを見せている。株主資本の割合は一定程度の変動を示しつつも、安定した財務の基盤を築いていると評価できる。ただし、負債構造の変化や包括損失の縮小といった要素は、財務戦略や市場環境の変化に対応した結果と推測される。