貸借対照表:資産
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
資産とは、過去の出来事の結果として会社が管理し、将来の経済的利益が事業体に流れると予想される資源です。
Walmart Inc.、連結貸借対照表:資産
百万米ドル
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-01-31), 10-K (報告日: 2024-01-31), 10-K (報告日: 2023-01-31), 10-K (報告日: 2022-01-31), 10-K (報告日: 2021-01-31), 10-K (報告日: 2020-01-31).
- 流動資産の推移と構成
- 2020年から2025年にかけて、流動資産の合計額は全体として増加傾向にある。特に、現金および現金同等物は2021年に大きく増加し、その後若干の変動を経て、2025年には約9037百万米ドルとなっている。一方、売掛金は緩やかに増加しており、在庫については一定の変動を示しながらも総じて増加している。前払い費用やその他資産も2021年に大きく跳ね上がった後、徐々に安定または増加傾向にある。これらの動きは、流動資産の増加が全体の資産規模拡大に寄与していることを示している。
- 固定資産の変化と構成
- 有形固定資産（純額）は、2020年の105,208百万米ドルから2025年には119,993百万米ドルへと増加している。これにより、資産の物理的基盤の拡大や投資の継続を示している。一方、ファイナンス・リース使用権資産も同期間で増加し、純額で4417百万米ドルから6112百万米ドルへと推移している。オペレーティングリース使用権資産は変動があるものの、ほぼ横ばいに推移している。全体として長期資産は継続的に拡大しており、総資産の中で重要な役割を果たしていることがわかる。
- 総資産及び資産構成の傾向
- 2020年の総資産は約236,495百万米ドルだったが、2025年には約260,823百万米ドルに増加している。これは、流動資産・固定資産ともに増加傾向が継続していることに起因する。特に、有形固定資産やファイナンス・リース資産の増加が目立つ。これにより、資産規模の拡大とともに、資産構成においても流動性と固定資産のバランスが維持されていることが示唆される。
- 観察されるポイントと考察
- 総資産の増加に伴い、流動性の高さや固定資産の拡充が進んでいることが確認できる。特に、現金・現金同等物の変動とともに、固定資産の積極的な投資が見られる。これらの動きは、企業が今後の事業拡大や投資戦略を反映している可能性が高い。一方で、長期資産の増加率と比べて流動資産の増加率は比較的高く、資産の流動性確保に向けた意図が考えられる。全体的には、資産の規模拡大と資源の充実を図る動きが継続していると分析できる。