貸借対照表の構造:資産
Fortinet Inc.、連結貸借対照表の構成:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31).
- 流動資産の比率の変化と構成
- 総資産に占める流動資産の割合は、2018年の72.15％から2022年の61.18％へ減少傾向を示している。特に、現金および現金同等物の割合は、2018年の36.14％から2022年の27.02％に低下しており、流動性の一部が縮小していることが示唆される。一方、短期投資の割合は短期間で変動しており、2020年にピークの19.17％を記録した後、2022年には8.07％に減少している。これにより、流動資産の一部である短期投資の比率が大きく減少していることが確認できる。その他、売掛金や在庫の比率は比較的安定しており、流動資産の構成の一部を維持している。
- 長期資産の増加と変動
- 有形固定資産の割合は、2018年の8.82％から2022年の14.43％へと増加しており、設備投資や資産の物理的拡大が進行していることが示唆される。同時に、繰延契約費用の割合も増加し、2018年の5.93％から2022年の8.32％に上昇している。一方、長期投資の割合は2021年に7.45％に上昇した後、2022年には0.73％に大きく減少しており、資産運用戦略の見直しや売却を示唆している可能性がある。これらの動きは、固定資産への重点配分や投資戦略の変化を示していると考えられる。
- 負債やその他資産の変動
- 売掛金の割合は、2020年に17.8％に達した後、2022年には20.26％に増加しており、売掛金の増加に伴う回収リスクや売上の増加を反映している可能性がある。その他の資産の割合も増加し、2020年の1.56％から2022年の3.24％へと上昇していることから、追加的な資産または非流動資産の保持が増えていると推測される。これらの変動は、資産構造の変化とともに経営資産の多様化や資産ポートフォリオの調整を示していると分析できる。
- 総合的な資産構成と傾向
- 全体として、流動性の高い資産の比率は低減しているものの、有形固定資産の増加や売掛金の拡大により、資産構造がより資産の実体と長期性を重視した方向へシフトしていることが示唆される。資産の内訳の変化は、企業の投資活動の方向性や資産管理戦略の見直しを反映している可能性が高い。これらの動向を踏まえ、今後の資産運用方針や財務戦略の判断において重要な指標となると考えられる。