貸借対照表の構造:負債と株主資本
ON Semiconductor Corp.、連結貸借対照表の構成:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 負債構成の変化について
- 長期負債は2019年から徐々に減少し、2023年には19.24％にまで縮小した。特に、長期借入金の割合が大きく低下し、短期的な資金調達にシフトしている可能性が示唆される。一方、流動負債は比較的安定して推移し、総負債に占める割合も全期間を通じて減少傾向にある。
- 自己資本の増加傾向
- 株主資本は2019年の39.45％から2023年には59.03％へと増加している。特に、累計利益の増加（25.3％から49.55％）により、自己資本の増強が進んでいることが分かる。これにより、財務の安定性や自己資本比率の改善が見られる。
- 流動比率と短期支払能力
- 流動負債の割合はおおむね安定しており、2023年には16.52％に維持されている。未払給与や販売準備金などの流動負債が減少する傾向にあり、短期的な支払能力におけるリスクは低減していると考えられる。
- 資産の組成と負債比率
- 負債総額に占める自己資本の割合は年々増加しており、2023年には58.89％に達している。これは、負債依存度が低下し、自社資本の比重が高まる中で財務の堅実さが向上したことを示す。特に、財務リスクの軽減につながる傾向である。
- その他の負債と資本構成
- その他の長期負債やその他包括損失額の比率は一定の変動を見せているが、全体的には比較的安定しており、資本構成のバランスが保たれている。追加資本金は大きな変動なく推移し、資本基盤の強化を反映している。
- 総合的な財務状態の評価
- 全体として、負債比率の低減と自己資本比率の向上が見られ、財務の安定性が改善していることが示される。これにより、長期的な事業継続性に対するリスクが軽減され、自己資本の充実が企業の財務基盤を強固なものにしていると分析できる。