AT&T Inc. (NYSE:T)

総資産に占める現金および現金同等物の割合は、2020年から2024年にかけて大きく変動しており、2022年前後に急激に増加した後、再び縮小傾向を示している。特に2022年3月期のピークは6.68%となっており、その後はおおむね低下または安定し、2025年3月期には1.73%に落ち着いている。

売掛金の割合は概ね安定しており、2020年から2023年にかけて2.18%から3.6%の範囲に収まっている。当該項目の割合は大きな変動はなく、信用期間や回収力の安定性を示唆していると考えられる。

在庫の割合は、2020年後半から2024年にかけて全体的に増減しながらも、特に2022年の後半には0.46%から0.92%にかけて増加している。これは在庫管理の変動や販売戦略の調整を反映している可能性がある。

プリペイドおよびその他の流動資産の割合は、2020年の約4%台から2021年にかけて5%台に上昇し、その後は3%から4%の間で推移している。これは前払費用や未収金などの流動資産の比率調整を示すものである。

流動資産の合計割合は、2020年から2024年にかけて概ね8%から13%の範囲に収まり、特に2021年のピークには13.32%を記録している。2024年にはやや低下しつつも安定している。

有形固定資産の割合は、2020年から2024年までおおむね60%台を維持しており、2012年以降の大部分期間で資産構成の主要部分を占めている。特に2022年以降、最も高い88%以上のピークを示すなど、資産の大部分が有形固定資産による構成となっていることが確認できる。

減価償却累計額は負の値を取り続け、2024年にかけてさらに深刻なマイナス幅（50%以上）を示している。これは資産の償却の蓄積を表し、減価償却の進展により固定資産の帳簿価額が減少していることを反映している。

無形固定資産の割合は、2020年から2024年にかけて約28%前後で変動しており、これも資産構成の一つとして重要な部分を占めている。特にライセンスやブランド価値に関する投資が反映されているとみられる。

のれんの割合は、2020年から2024年にかけて概ね20%台で推移しており、企業買収や事業の統合に伴う無形資産の増加を示唆している。特に2022年前後にやや減少傾向が見られるものの、依然として重要な資産項目である。

ライセンス、純の割合は、2020年代を通じて約16%から33%の範囲で変動している。資産の中で比較的大きな比重を占めており、ライセンスに基づく資産の重要性を示している。

オペレーティングリース使用権資産は、2020年代を通じて4%台後半で安定している。これはリース資産の計上による企業の資産負担を反映し、戦略的な資産運用の一環として位置付けられる。

無線ライセッションのデポジットは、2021年に導入され、その後の期間で一定の比率（約1.58%）に推移しており、資産の一部として安定して管理されていることが示唆される。

全般的に、総資産構造は有形固定資産の比率が高く、資産の大部分は実物資産に依存している。流動資産の割合は比較的低く、また資産構成の中の無形資産割合も時間とともに安定的に推移していることから、企業の資産戦略において、実物資産および無形資産の両方が重要な役割を果たしていると評価できる。