貸借対照表の構造:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 流動資産の割合の推移
- 全期間を通じて流動資産は総資産の約25%から27%の範囲で変動しており、比較的安定した比率を維持している。特に2020年に比べて2021年にはやや上昇していることから、流動性の確保にわずかな改善が見られると考えられる。
- 現金および現金同等物の割合の変動
- 現金および現金同等物は、2017年には総資産の2%を占めていたが、2018年には1.28%に減少し、その後2020年には3.78%と大きく増加した。2021年には2.86%に調整されている。この変動は、短期的な資金運用や資産の流動性戦略の変化を反映している可能性がある。
- 売掛金の比率のトレンド
- 売掛金比率は2017年の17.77%から2019年には16.38%へ低下傾向を示し、その後2020年と2021年にはやや増加し、15.95%に達している。この動きは、売掛金の管理改善または取引条件の変化を示唆している可能性がある。
- 固定資産の比率と形態の変動
- 有形固定資産(ネット)の比率は全期間で約48.9%から50.41%の間を推移し、総資産に対して比較的一定の割合を占めている。また、固定資産全体(有形固定資産とその他の資産を含む)は約72.74%から75.15%の範囲で推移し、固定資産の重要性は高いままである。2020年以降はやや低下傾向にあるが、支配的な資産構成であることに変わりはない。
- 無形資産の変動
- のれんおよびその他の無形資産については、2017年から2018年にかけて比率がやや低下したものの、その後は少しずつ増加し、2021年には18.8%に達している。これは、企業の買収や資産組み換えによる無形資産の蓄積を示唆している可能性がある。
- その他の資産の変動
- 関連会社への投資や前払金の比率は、2017年の0.54%から2021年には約0.88%に増加している。また、使用権オペレーティングリース資産は2020年後半に一定の割合を占めており、資産構造の変化を反映している。これらの項目の比率変動は、投資戦略やリース資産の拡大を示している可能性がある。
- 総じて
- 全体として、総資産に占める各資産項目の比率は比較的安定しており、流動性や資産構成に大きな変動は見られない。一方で、一部の資産項目の比率の変動から、資産管理や投資戦略の調整が行われた可能性も示唆される。特にキャッシュや売掛金の変動は、短期的な資金運用や収益性の改善に影響を与える要素と考えられる。