損益計算書の構造
HCA Healthcare Inc.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 総合的な収益および利益動向
- 2017年から2021年にかけて、収益に占める割合は一定して100％を維持しており、売上高の安定性が示されている。営業利益率は2017年の13.91％から2018年に15.15％へ上昇し、その後2019年に14.1％、2020年に14.08％とやや低下したものの、2021年に19.23％へ大幅に増加している。この傾向は収益性の向上を示唆している。税引前当期純利益率も同様に上昇し、2021年には16.74％に達していることから、全体として利益性が改善していることが確認できる。
- コスト構造及び費用比率の変動
- 調度費用は収益の約16％前後で推移し、少しずつ減少傾向を示す。給与と福利厚生費用は収益の約45％に位置付けられ、2020年にやや増加した後、2021年には45.58％に上昇している。その他の運営費は、2021年に16.95％とやや改善されている。一方、減価償却と償却費は収益比率で約4.9％（2017年）から5.3％（2020年）へ増加した後、2021年には4.86％に縮小しており、一定のコスト管理の改善が見られる。
- 非営業関連項目と純利益の変化
- 施設売却益は2021年に2.76％へ増加し、部門外の収益の寄与度が高まっていることを示す。利息費用は徐々に減少し、2021年には2.67％へ低下したため、財務コストの改善が反映されている。また、債務償却による損失は2020年に一時的に高まったものの、それ以降は低水準に回復している。税引後当期純利益は、2017年に6.29％、2021年には13.14％と着実に増加し、純利益の向上が顕著である。特に、法人税引当金の比率は2021年に3.59％へ増加したが、全体として利益率の向上に寄与している。この結果、HCA Healthcareの純利益は年々増加傾向にある。
- 利益の配分と株主還元
- 非支配持分に帰属する純利益は収益の約1.2％台で安定している一方、HCA Healthcareに帰属する純利益は2017年の5.08％から2021年に11.84％へと大きく増加している。これにより、主要株主に帰属する利益の拡大と収益性の改善が示唆される。2021年の純利益増加は、全体の収益改善とコスト管理の効率化によるものと評価できる。