貸借対照表の構造:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-01-31), 10-K (報告日: 2024-02-02), 10-K (報告日: 2023-02-03), 10-K (報告日: 2022-01-28), 10-K (報告日: 2021-01-29), 10-K (報告日: 2020-01-31).
- 負債の構成と変化
- 2020年から2022年にかけて、短期借入金の占める割合は一時的に増加したが、その後減少し、2024年には142%まで下落している。また、長期債務の割合は2020年には1.51%であったが、2023年には1.34%まで減少し、その後2025年には6.00%へ顕著に増加している。特に長期借入金の割合は、2020年の42.48%から2024年には84.66%に上昇し、長期的な資金調達が増加していることが示唆される。
- 流動負債の推移
- 流動負債の比率は2020年の38.46%から2022年の44.06%まで増加し、その後やや減少傾向が見られるが、2024年には44.64%まで再び増加している。一方、その他の流動負債は2020年の6.54%、2022年には7.47%、2024年には8.32%と、全体として増加傾向を示している。
- 資本構成と株主資本
- 株主資本は2020年に5.00%を占め、2022年には-10.79%と赤字化し、その後も負の領域を継続している。累積利益剰余金は2020年の4.38%から2022年には-11.46%、2024年には-37.41%と、大きく低下している。これに伴い、株主資本全体が赤字に転じており、財務の脆弱化が顕著である。
- 長期資金調達とその他負債
- 長期借入金の比率は著しく増加しており、2024年に大きく上昇していることから、いわゆる長期資金調達の意図や方針の変化が推察される。その他の負債も2024年には2020年の約3倍に達しており、負債全体の増加に寄与している。
- 総負債と自己資本
- 総負債の割合は2020年の95%から2024年には約136%、2025年にはやや減少したものの、それでもなお高水準を維持している。総負債に対して自己資本の比率は負の状態が継続しており、財務レバレッジの高まりとリスク増大が示されている。利益剰余金の赤字化とともに、株主資本の縮小が財務の安定性に対する懸念を高めている。
- まとめ
- 全体として、負債比率が増加し、特に長期借入金の比率が大きく上昇していることから、同社は積極的に長期資金を調達し、それを負債の増加に充てていることがわかる。これに伴う自己資本の縮小と利益剰余金の赤字化により、財務の健全性は悪化していると評価できる。一方、短期借入金の突出した変動や流動負債の増加から、短期的な資金負担の増大も懸念される。今後は資本の健全性回復と負債管理の改善が重要な課題であると言える。