損益計算書の構造
Amgen Inc.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 売上高と売上構成の安定性
- 全期間を通じて、製品販売の比率は一定して100％を維持しており、売上高の基本的な構造に変化は見られない。これにより、収益の大部分が製品販売からのものであることが示されている。
- 売上原価の増加傾向
- 売上原価の割合は2020年から2024年にかけて、25.41％から40.15％へと上昇している。特に2023年以降では、売上原価の割合が増加傾向にあり、コスト構造の圧迫や収益性への影響が懸念される。
- 総利益の変動と収益性の低下
- 製品売上総利益の割合は、2020年の74.59％から2024年の59.85％に減少している。これには売上原価の増加が寄与しており、総合的な収益性の低下を示唆している。
- その他の収益と研究開発費用の推移
- その他の収益は一定範囲内で推移しているが、研究開発費の割合は2020年から2024年までほぼ一定の水準（約17.8％から19.8％）で推移し、継続的な投資が行われていることが示されている。ただし、投資の削減や増加は見られない。
- 販売・一般管理費の安定性
- 販売、一般および管理費の割合は、2020年の約23.64％から2024年の22.16％へとわずかに低下しており、コスト管理が一定程度維持されていることを示している。
- 営業利益と純利益の低下
- 営業利益の割合は、2020年の37.7％から2024年の22.66％へと大きく減少している。税引前純利益も同様に、2020年の33.55％から2024年の14.39％に減少しており、収益性の改善が見られない。特に支払利息が増加し、純利益への負担が増している点が注目される。
- その他の収入と費用の変動
- その他の収入(費用)は、2023年に一時的に利益側に転じ、その後再び割合の減少を示している。これは非営業収益の変動による一時的な影響と考えられる。
- 法人税負担と純利益の減少
- 法人税引当金の割合は、2020年から2024年にかけて減少傾向にあり、税負担の軽減が図られているが、その結果として手取り利益は大幅に低下し、2024年には12.77％まで減少している。総じて収益性の圧迫が継続していることが明らかである。
- 総合評価
- 全体を通じて、売上からコスト構造にかけての圧力が増加する中、収益性の低下傾向が顕著である。売上原価の増加とともに営業利益や純利益が大きく減少し、コスト管理と収益性改善の課題が浮き彫りとなっている。