貸借対照表の構造:資産
Warner Bros. Discovery Inc.、連結貸借対照表の構成:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体的な資産構成の変化について
- 総資産に占める流動資産の割合は2017年の44.3%から2021年の21.1%へと減少傾向を示している。一方で、固定資産の割合は同期間において増加し、2017年の55.7%から2021年の78.9%に上昇している。特に、有形固定資産の比率は3.54%に達し、総資産に占める占める割合が増加していることから、資産の所有や設備投資に対する重点が変化していることが推察される。
- 現金および現金同等物の割合の推移
- 現金および現金同等物の総資産に占める割合は2017年の32.41%から2021年の11.34%へと大幅に低下している。これにより、現金の持ち高は縮小し、資産の流動性が相対的に減少していることがわかる。ただし、2020年に一時的に増加した傾向も見られるため、資金の流動性確保や資産運用の変化が反映されている可能性がある。
- 流動資産および関連項目の動向
- 流動資産の割合は2017年の44.3%から2021年の21.1%へと減少しているが、流動資産の内訳をみると、前払費用やその他の流動資産の割合の変動が影響している。2020年には二倍近く増加し、その後やや減少していることから、短期的な資金運用や支出計画の変化が見て取れる。
- 無形資産とコアコンテンツの動向
- 無形固定資産の純額は2017年の7.85%から2021年に18.35%へ増加しており、特に2018年に著しく上昇していることから、コンテンツやブランド、ライセンスなど無形資産への投資が増加したと考えられる。一方、コンテンツの権利およびプリペイド・ライセンス料の割合は低迷し続けている点も注目される。コンテンツへの資産配分にシフトが見られる。
- 好意（のれん）とその他の固定資産
- 好意の割合は2017年の31.36%から2021年の37.51%にやや上昇したことから、買収や事業提携に基づくのれん資産の維持・積み増しが継続していると推察される。その他の固定資産も安定して割合を維持し、資産構造の多様性を保っていることが示唆される。
- 全体的な資産比率の傾向
- 固定資産の割合が増加し、現金や流動資産の割合が減少していることから、資産運用の戦略として流動性を犠牲にしつつ、長期の資産基盤を強化する方針にシフトしている可能性がある。このことは、長期的な成長やコンテンツ投資、事業基盤の強化を重視しているとの判断材料となる。