貸借対照表の構造:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 流動資産の比率の変動
- 2019年の流動資産の割合は70.06%であり、その後2020年には77.75%に増加している。これは、流動資産が総資産に占める割合が高まり、短期的な資産の比重が増したことを示す。一方、2021年以降は70.34%から73.41%へ微増し、その後2023年には72.23%と横ばいに近い水準で推移している。これらの変動は、流動資産の構成比の安定性とともに、必要な資金流動性を維持しつつも総資産のバランスを調整していることを示している。
- 現金および現金同等物の割合の変動
- 2019年には35.25%と比較的高い割合を占めていたが、2020年には56.61%に大きく増加している。これは、同年の資産構成において短期的な流動性資産の比重を高めたことを反映していると考えられる。以降は2021年に一度5.74%まで減少し、その後2022年、2023年と比例して15.34%、8.54%と変動しているものの、全体としては比較的低い水準で安定している。
- 有価証券の役割と変化
- 有価証券の割合は、2021年には43.16%と高水準に達し、その後2022年は36.95%、2023年は41.57%と、総資産に占める割合に変動が見られる。これにより、流動性資産としての有価証券の比重が高く、資金運用や短期的な投資戦略を反映していることが示唆される。特に2021年の高水準は、キャッシュフローの最適化や短期資金管理の方針を示す可能性がある。
- 負の資産項目の変動
- 好意(のれん)については、2019年に3.47%と比較的低かったが、2021年には8.72%に増加し、その後2022年の6.92%、2023年の6.34%と推移している。これにより、企業買収や資産買収に伴う無形資産の増加を示唆しており、積極的なM&A活動や事業拡大の戦略が反映されている可能性がある。その他の資産や繰延税金資産も一定の比率を維持しつつ、全体の資産構成に多様性をもたらしている。
- 固定資産の比率
- 固定資産の割合は、2019年には29.94%であったが、その後2020年に22.25%に低下し、その後2021年には29.66%に回復、2022年と2023年はそれぞれ26.59%、27.77%と推移している。このパターンは、資産の長期的な投資や設備投資の動きと連動しており、企業の資産運用戦略の変化を反映していると推測される。固定資産の比率が安定していることは、製造やインフラに関連する資産の継続的な維持や投資を示す可能性がある。
- 総資産のバランス
- 全体として、総資産に占める各資産項目の比率は平衡を保っており、特に流動性資産の比重が高まる傾向や有価証券を中心とした流動資産構成の変化が見られる。また、無形資産や好意の増加は、企業のM&Aや戦略的買収活動を反映している可能性が高い。総じて、資産の流動性と長期資産のバランスを保ちながら、資産構成の変動に柔軟に対応している点が観察できる。