損益計算書の構造
Steel Dynamics Inc.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 売上高に占める無関係な当事者の割合
- 2017年から2021年までの期間において、売上高に占める無関係な当事者の割合は非常に高く、概ね99%以上を維持している。この傾向は、取引の大部分が関連性の薄い外部の取引先によるものであることを示唆しており、取引の多くが外部市場を中心として行われていることを示している。
- 売上高に占める関係者の割合
- 一方、関係者による売上高の割合は非常に低く、2017年から2021年までの間で0.13%から0.17%の範囲にとどまっている。このことから、企業の売上高の大部分は非関係者との取引によるものであることが明らかとなっている。
- 売上高に占める総売上割合
- 全期間を通じて、売上高に占める全体の割合が100%で表示されており、各項目の占める割合はきちんと合計されている点から、データの整合性が確認できる。
- 売上原価と粗利益の動向
- 売上原価の売上高に対する割合は2017年と2018年にそれぞれ約83%前後と高めの水準にあり、2019年以降は一時的に85%以上に増加する傾向を示したが、2021年には70.87%へと大きく低下した。これに伴い、粗利益率は2017年の16.59%から2018年には19.65%に改善したものの、2019年から2020年にかけて再び低下している。一方、2021年には29.13%に達し、大きな改善が見られる。これは、売上原価の削減または販売価格の上昇などが要因と考えられる。
- 営業利益と純利益の変動
- 営業利益は2017年の11.18%、2018年の14.57%から、2019年と2020年には両者とも約9%台と低下していたが、2021年には23.36%と大きく持ち直し、利益率が改善している。税引前純利益も同様に期間中に変動しており、最も高い2021年の22.86%の利益率を示している。これにより、2021年においては収益性が顕著に向上したことが示唆される。
- 費用項目の動向
- 販売費及び一般管理費は売上高に対し概ね-3.5%から-4.97%の範囲で推移し、比較的安定したコスト構造を示している。無形固定資産の償却費用も一定範囲内に収まっており、2021年には0.16%と低く抑えられている。所得税費用は2018年に最も高い3.08%を記録した後、2021年には5.23%に増加しており、税負担の増加傾向が見られる。
- その他の収入と支出、および非支配持分の状況
- その他の収入(費用)は2018年に一時的にプラスとなった後、2020年と2021年にはマイナスとなっており、一定の変動性が見られる。非支配持分に帰属する純損失は年間を通じてごくわずかの負の値で推移し、企業の支配権に関する重要な変動は観察されていない。最後に、Steel Dynamics, Inc.に帰属する純利益は期間を通じて変動しながらも、2021年において大きく回復し、売上高に占める割合も17.46%と高水準を維持している。これは、企業の収益力が2021年にかけて大きく改善したことを反映している。