貸借対照表:負債と株主資本
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 傾向と変化
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2017年度から2021年度にかけて、負債および資本の両面で顕著な増加傾向が認められる。総負債は約1.8倍に拡大し、特に流動負債と非流動負債の増加が大きな割合を占めている。流動負債は約2.56倍に増加し、流動負債の比率も全体の負債構成において高まっている。一方、長期借入金や未払法人税も継続的に増加しており、資金調達や税務負担の拡大傾向が示唆される。
一方、純資産にあたる剰余金や持分比率は大きく増加し、企業の自己資本比率の改善を示している。剰余金は約2.7倍に拡大し、持分比率も約1.88倍に増加している。総資本も約1.91倍に増加し、企業の資本構造の強化が進んでいることがわかる。
負債の内訳では、繰延法人税やその他負債も増加傾向にあり、長期的な借入金を中心とした資金調達の拡大と負債管理の継続性が見られる。総負債と資本の合計額も約1.8倍に増加しており、規模の拡大とともに財務基盤の充実が図られていると考えられる。
- 財務状況の安定性とリスク
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負債の増加が著しいものの、総資本や剰余金の増加により自己資本比率も向上しているため、企業の財務基盤は一部強化されていると判断される。ただし、流動負債の比率の高まりや買掛金の増加は短期的な資金管理リスクを示唆しており、特に流動性の観点から注意が必要である。
未払法人税や未収利息などの運転資本の項目も変動しており、資金の流動性や税務負担に関するリスクの変化を考慮する必要がある。また、財務負担の重さを示す長期債務も大きく増加しており、今後の資金調達や返済計画に注視が求められる。