Ecolab Inc. (NYSE:ECL)

総資産に占める現金および現金同等物の割合は、2017年から2020年にかけて比較的低位で変動し、2020年に顕著な増加を示した後、2021年には減少している。特に2020年の6.95%は過去の割合に比べて高まり、流動性の一時的な増加を示唆していると考えられる。

売掛金の割合は、概ね13%前後で推移し、安定した受取債権の規模を維持している。ただし、2021年には11.69%へとやや低下し、資産の後方において若干の縮小傾向が見られる。

在庫の割合は、2017年から2019年まで約7.2%～7.7%の範囲で安定していたが、2020年と2021年にはわずかに低下し、7%前後にとどまっている。これにより、在庫管理の効率向上やサプライチェーンの変化が示唆される。

プリペイド資産の割合も概ね0.55%～0.77%の範囲で安定しており、大きな変動は見られないが、2020年に若干低下した後、2021年には再び0.57%に戻っている。

未収税の割合はやや変動が見られ、2020年には0.93%に増加したものの、全体としては0.64%～0.72%の範囲で推移し、税務関連の資産の変動は限定的であると考えられる。

デリバティブ資産の割合は、2017年から2019年には増加傾向を示し、2020年には大幅に減少したが、2021年には再び0.29%に上昇している。この変動は、ヘッジング戦略の見直しやリスク管理の変化を反映している可能性がある。

その他の流動資産は比較的一定の範囲内にあり、2017年から2021年まで約1.65%～1.83%の間で推移し、大きな変動はみられない。

流動資産の割合は、2020年に一時的に28.23%と高まり、その後2021年には22.1%に減少している。これにより、短期資産の比率が2020年に拡大し、その後縮小していることが示唆される。

有形固定資産の割合は、2017年から2019年まで約18%～19%で安定しており、2020年に17.24%へとやや低下した後、2021年には15.51%とさらに減少。資産構成の変化による投資抑制や資産の売却が反映される可能性がある。

無形固定資産の割合は、主に30%台後半から40%台へと変動しており、2017年の35.9%から2021年には38.03%に上昇。特に、好意やその他の無形資産において増加傾向がみられることから、買収やブランドの取得、関連資産の増加が要因と推測される。

その他の無形固定資産は、2019年まで徐々に減少していたが、2021年には約20%に近い数値へと回復しており、無形資産の構成に変化があった可能性がある。

オペレーティングリース資産は、2020年には2.77%、2021年には1.87%まで低下しており、リース会計基準の変更やリース資産の圧縮が進行していることが示唆される。

繰延法人税は、2019年に0.75%に増加した後、2021年には0.57%に低下している。税効果会計の調整や税務戦略の変化が影響している可能性がある。

年金負債の割合は、2017年の0.21%から2021年に0.54%へと増加しており、将来の退職給付負債の拡大を示している。これにより、退職給付制度に関するリスクや負債管理の変化が反映されていると考えられる。

金融デリバティブに関しては、2020年に増加したものの、その後の詳細なデータの欠損により明確な変動傾向は示しづらいが、2021年に約0.14%に達している。

全体として、固定資産の比率は比較的高く、近年では無形固定資産の比率が増加している一方で、有形固定資産の割合は低下傾向にあることから、資産構成のシフトが見て取れる。流動資産の比率の変動や、リース資産の圧縮は、キャッシュフローやリスク管理の戦略の一環として解釈できる。

総じて、これらの変化と動向は、会社が資産の効率的な運用や無形資産の拡充、リスク管理の強化に努めていることを示している。特に、無形資産の増加と流動資産の一時的な増加は、事業拡大や資産構造の最適化への取組を反映していると考えられる。