貸借対照表の構造:負債と株主資本
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レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 総負債の動向
- 2017年から2021年までの期間において、総負債の負債および資本総額に占める割合は、初期には61.48%から58.19%へとやや減少したが、その後2020年以降に65.79%、65.8%と増加傾向が見られる。特に長期借入金の割合は2019年から2021年にかけて顕著に増加しており、36.79%から39.36%に上昇している。このことは、長期資金調達に依存する傾向の強まりを示唆している。
- 資本構成の変化
- エコラボの株主資本の占める割合は2017年の38.16%から2019年に41.62%まで上昇したものの、その後は2019年のピークから34%台へと減少している。自己株式の割合は大きく増加し、2020年には36.85%、2021年には31.99%に達している。これらの動きは、自己株式取得や資本の希薄化が進んだ可能性を示しており、資本構造の変動に影響を与えている。
- 負債項目の特性
- 短期借入金の割合は全期間を通じて比較的小さく、2020年に特に低下しているが、2021年には再び1.94%へと増加している。長期借入金の割合は増加傾向であり、特に2020年以降に上昇している。一方、その他の流動負債と非流動負債は全体として安定もしくは増加傾向を維持し、非流動負債は2019年を境に増加に転じている。これらのデータは、長期的な負債の比重が高まり、資本の安定化や資金調達手法の変化を反映している。
- 包括損失および自己株式の影響
- その他包括損失累計額はマイナスで推移しており、2020年の-11から2021年には-7.71へと改善している。自己株式は大きく増加し、負の割合も示すように株主資本の希薄化を伴っている。これにより、純粋な自己資本の増減に影響を及ぼしていることがうかがえる。一方、剰余金も変動しつつ、2019年に最大の47.89%、その後少し減少している。
- 全体の傾向と示唆
- 全体として、エコラボの資本構造は、長期借入金や自己株式の増加による資本の希薄化の傾向が見られる一方、総負債比率は一定または上昇し、負債の長期化や資本の変動により財務レバレッジの調整が進んでいると考えられる。これらの動きは、同社の資金調達戦略や資本配分の見直しを反映しており、財務安定性や株主構造の変化に影響を及ぼしている可能性が示唆される。