貸借対照表の構造:負債と株主資本
Mosaic Co.、連結貸借対照表の構成:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 負債の構成と変化の傾向
- 短期借入金は2018年に割合が増加した後、2020年には計上されていない期間もあったが、2021年には1.37％に再び増加した。一方、長期債務は2017年から2021年まで比較的安定しているものの、割合は2021年にやや高めとなっている。流動負債は全期間を通じて増加傾向を示し、2021年には21.72％に達しており、短期的な負債の依存度が高まっている。これに対して、長期債務の割合は減少し、2021年には15.35％に低下し、比較的長期負債の比重が下がる傾向が見られる。未払負債も増加傾向にあり、2021年には8.55％まで拡大していることから、負債の短期化と未払負債の積み上げが進んでいると解釈できる。
- 資産除去義務およびその他の負債の動向
- 資産除去義務の割合は全期間を通じて増加し、2021年には6.93％となっている。これは資産のライフサイクルに伴う負債負担の増加を示唆している。一方、その他包括損失累計額は引き続きマイナス値を維持しながらも、割合はやや縮小しつつあるが、負の評価損の積み重ねは継続している。非流動負債も比較的安定しているが、2019年以降わずかな増加を示し、2021年には29.5％に達している。全体として、負債の長期比重と短期化の両面が観察される。
- 自己資本の変化と資本構成
- 自己資本は全期間を通じて比較的安定して推移しており、2021年の剰余金は54.52％となっている。資本の大部分は剰余金に依存しており、普通株式による資本は微量で一定である。資本構成においては、資本の割合が大部分を占めており、負債比率も比較的安定している。一方、額面超過資本の割合は2018年にピークを迎えた後、2021年にはやや縮小している。負債と資本の割合は2021年でも全体の約48％を占めており、財務のバランスを保つ構造が維持されている。
- その他の見逃せないポイント
- 未収所得税・その他の税金の割合は増加しており、2021年には0.84％に達している。税務上の負債や引当金の増加は財務リスクの潜在的高まりを反映している可能性がある。認識されていない税制優遇措置は2021年に大幅に上昇し、0.71％となっていることから、税務戦略の変化や税制効果の増加を示唆している。総じて、負債と資本の増減は安定局面にあるものの、負債の短期化と税務関連負債の増加傾向が観察される。
- 結論
- 全体として、2021年においては流動負債の割合が著しく増加しており、短期負債の比重が高まる傾向にある。一方、長期負債は相対的に減少しており、資産除去義務や未収税金の増加が負債構成の変化に寄与している。自己資本は安定しているものの、負債の短期化と税務負債の増加が経営上の重要なポイントとなる。従って、流動性管理と長期資金調達のバランスが今後の課題と考えられる。