損益計算書の構造
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 売上高とコストの傾向
- 全ての年度において売上高の総体としての収益は一定の水準にあり、2019年から2023年まで変動は小さく、100%を基準とした収益比率が示されている。材料費・その他の割合は高水準(とくに90%台)で推移し、売上の大部分を占めていることが示唆される。一方、売上原価も非常に高く、売上総利益率はわずかにプラスの年度もあるものの、多くの期間においてマイナス圏にあり、収益性には圧迫要因が存在していたことが読み取れる。特に2020年の売上総利益率は-1.14%と顕著なマイナスを示しており、収益面での不安定さが見て取れる。
- 営業利益と純利益の推移
- 営業利益(損失)は2019年にはプラス(3.54%)であったが、2020年にはマイナス(-2.43%)に落ち込み、2021年以降は回復基調を示し、2023年には8.19%、2022年の8.9%と高い水準に復調している。これにより、2020年の収益の低迷を経て、会社は営業活動の収益性を回復させたことが示される。純利益も同様に2020年には赤字(-1.71%)に転じたが、その後は着実に回復し、2023年には6.32%の純利益を計上しており、収益性の改善が進んでいる。これらの動きは、経営の効率化やコスト管理の改善を反映している可能性がある。特に、非支配持分との差異を除いた株主に帰属する純利益は、2020年の低迷を経て2022年以降は前年を上回る結果となっている。
- 費用構造の変化
- 営業費用(減価償却費除く)は2020年に比べて2022年と2023年においては削減傾向にある一方、減価償却費の比率は全期間にわたり比較的安定しており、総じて管理コストの効率化が進行していると推測される。また、その他の運営費や一般管理費も安定して推移しており、費用構造の最適化が図られている可能性が示唆される。
- その他の収入と費用
- その他の収入は年度を追うごとに増加傾向(2023年には0.35%)で推移し、収益への寄与も一定している。資産減損損失も2022年にわずかに計上されたものの、全体としてみると大きな影響は見られない。利息および負債費用は全期間にわたり負の割合で推移し、財務コストの支出を反映している。これらの費用は、現金流出を伴うが、全体的な収益の改善に一定の寄与をしていることが考えられる。
- 税金と最終的な収益
- 税金の効果は、2020年に一時的なプラス(1.39%)を示したものの、その他の期間ではマイナスが続き、総合的な税金負担や優遇措置が収益に影響を与えていると推測される。最終的な当期純利益は、2020年の赤字を挟みつつも、2023年にかけて回復し、株主に帰属する利益も安定した水準を保っている。これらは、財務戦略の見直しやコスト削減策の効果が現れ始めた結果と考えられる。