Moderna Inc. (NASDAQ:MRNA)

データの欠損と期間の範囲

2018/12/31および2019/12/31の値は欠損。以降は2020/12/31、2021/12/31、2022/12/31、2023/12/31の4期間を対象としている。

製品販売の推移

2018年および2019年にはデータ欠損のため比較は不能。2020年には200百万ドルと低位にとどまり、2021年には17675百万ドル、2022年には18435百万ドルと大幅に増加した。その後、2023年には6671百万ドルへ大きく減少している。期間中は急激な成長局面の後に顕著な落ち込みが生じている。

営業利益の推移

2018年と2019年は赤字 (-413百万ドル、-546百万ドル)、2020年も赤字 (-763百万ドル)で推移。2021年には13296百万ドルの黒字へ転換し、2022年には9420百万ドルの黒字を継続したが、2023年には-4239百万ドルの赤字へ再転落している。黒字化は2021-2022年に集中し、その後は再び赤字に戻っている。

当期純利益の推移

2018年と2019年は赤字 (-385百万ドル、-514百万ドル)、2020年も赤字 (-747百万ドル)で推移。2021年には12202百万ドルの黒字へ転換し、2022年には8362百万ドルの黒字を維持したが、2023年には-4714百万ドルの赤字へ再転落している。純利益も営業利益と同様、2021-2022年に大幅な黒字を示す一方、2023年に赤字へ戻っている。

洞察と結論

全体として、期間内の利益性は大きく変動している。製品販売は2020年に低水準から始まり、その後2021-2022年に大幅増加して高水準を維持したのち、2023年には再び大幅に減少している。営業利益と当期純利益は、2021-2022年に黒字化が顕著である一方、2023年には再赤字へ転じており、売上規模の変動と収益性の両方に強い変動性が認められる。欠損データ（2018年・2019年）により、初期期間の連続性を完全には検証できず、長期的なトレンドを確定するには2019年以前のデータ補完が望まれる。2020年の赤字は製品販売の低水準と費用要因が重なった可能性が示唆されるが、詳細な要因の特定には追加データが必要である。

データの要点

流動資産は2018/12/31時点の1563百万米ドルから2019/12/31に1129百万米ドルへ減少した後、2020/12/31には6298百万米ドルへ急増し、2021/12/31には16071百万米ドルへ拡大した。その後2022/12/31に13431百万米ドル、2023/12/31には10325百万米ドルへ再度減少している。総資産は2018/12/31時点で1962百万米ドルから、2019/12/31に1589百万米ドルへ減少、2020/12/31に7337百万米ドルへ急増、2021/12/31には24669百万米ドルへ拡大、2022/12/31には25858百万米ドルへ高水準を維持した後、2023/12/31に18426百万米ドルへ大幅に縮小している。全体として、2019年から2021年にかけて資産が大幅に拡張し、その後は規模の縮小が続いている。

流動資産の年次推移と総資産に対する比率

流動資産の年次推移は、1563→1129→6298→16071→13431→10325の順で変化しており、特に2020年と2021年に大幅な増加を示した後、2022年および2023年には再び減少している。流動資産が総資産に占める比率は、2018年約79.6%、2019年約71.1%、2020年約85.8%、2021年約65.1%、2022年約52.0%、2023年約56.0%となり、2020年に最大水準を付けた後、2021年以降は低下傾向が続いた後に2023年にやや回復している。

総資産の年次推移

総資産は2018年末1962百万米ドル、2019年末1589百万米ドル、2020年末7337百万米ドル、2021年末24669百万米ドル、2022年末25858百万米ドル、2023年末18426百万米ドルの推移。2020年以降の拡大幅が大きく、2021年末にはピークに迫る水準へ達したが、2023年末には大幅に縮小している。

観察されるパターンと読み取り

期間を通じて資産構造は初期の安定境界から2020年にかけて流動資産が大幅に膨らみ、2021年に最大水準へ達した後、2022年・2023年にかけて再度縮小する傾向を示している。流動資産の絶対額の動きは総資産の動きと概ね連動しており、2020～2021年には資産規模の拡大と資産の流動性の高度化が同時進行していた可能性が示唆される。一方で総資産は2022年に高水準を維持した後、2023年に大幅に縮小しており、規模感の後退が顕著である。流動資産の総資産比率は2020年に高水準となったのち、2021年以降は低下傾向を示し、2023年に再び若干回復しているが、2018年時点の水準には回復していない。総じて、資産構造は高流動性資産の時期と相対的に低流動性資産が支配的となる時期が交互に顕在化している。

分析対象期間は2018/12/31から2023/12/31までの財務指標であり、各項目の単位は百万米ドルである。欠損データは存在しない。以下はデータから読み取れる傾向と洞察を要約する。

流動負債（単位：百万米ドル）

2018: 223; 2019: 143; 2020: 4389; 2021: 9128; 2022: 4923; 2023: 3015. 傾向として、2018–2019は低水準で安定していたが、2020–2021にかけて急増して財務上の短期圧力が顕著となった。2022–2023には再び低下して一定水準へ戻りつつある。これにより、短期の流動性リスクは一時的に高まった後、相対的には緩和傾向に転じている可能性がある。

総負債（単位：百万米ドル）

2018: 432; 2019: 415; 2020: 4775; 2021: 10524; 2022: 6735; 2023: 4572. 傾向として、2018–2019は安定、2020–2021にかけて大幅な増加がみられ、資金調達の拡張を反映していると考えられる。2022–2023には再び縮小傾向となり、負債水準は2023年時点で2018年水準近辺へ戻りつつある。

リース負債の資金調達（単位：百万米ドル）

2018: 43; 2019: 39; 2020: 134; 2021: 764; 2022: 1073; 2023: 575. 傾向として、リース関連の負債は2020–2021にかけて顕著に拡大した後、2022にはさらなる増加、2023には縮小。リース債務は総負債に占める比率で見ると、2022年にピーク（約16%）を記録したが、以後低下している。

株主資本（単位：百万米ドル）

2018: 1530; 2019: 1175; 2020: 2561; 2021: 14145; 2022: 19123; 2023: 13854. 傾向として、株主資本は2018–2019にやや低下した後、2020–2022にかけて大幅に増加。特に2021–2022は資本注入あるいは資本市場からの資金調達によって大きく拡大した。その後2023年には再び縮小したが、依然として高水準を維持している。

総括的な洞察

データ全体から、2018–2019は低い負債水準と比較的小さな株主資本で安定していた。2020–2021には資本市場からの資金注入およびリース関連の負債を含む負債の顕著な増加が観測され、財務構造が一時的に大きく変動した。2022–2023には負債の伸びが鈍化・縮小し、株主資本は高水準を維持する動きを示した。総負債対株主資本の比率は2020年に最大となったが、2022–2023には低下しており、財務の安定性は改善したと見られる。リース債務は負債の一部として影響を与え続けたが、全体の負債構造に対する寄与は時期により変動している。

本分析は提供された年次キャッシュ・フローのデータを用い、3つの活動区分と期間ごとの変化を客観的に評価した。期間を通じて大幅な波及があり、特に2021年には operating cash flow が極めて高水準となり、その後2023年には再び運用キャッシュが負に転じている点が特徴的である。以下に主要なパターンと示唆を整理する。

営業活動によってもたらされた(使用された)ネットキャッシュ

2018: -331, 2019: -459, 2020: 2,027, 2021: 13,620, 2022: 4,981, 2023: -3,118（百万米ドル）

投資活動によるネットキャッシュ(使用済み)

2018: -372, 2019: -15, 2020: -1,672, 2021: -8,523, 2022: -5,176, 2023: 4,206（百万米ドル）

財務活動による(使用された)ネットキャッシュ

2018: 1,227, 2019: 51, 2020: 2,033, 2021: -873, 2022: -3,448, 2023: -1,377（百万米ドル）

純キャッシュフローの推計（3区分の合計）

2018: 524, 2019: -423, 2020: 2,388, 2021: 4,224, 2022: -3,643, 2023: -289（百万米ドル、CFO＋CFI＋CFFの合計として推計）

主要なパターンと観察点は以下のとおりである。まず、営業活動によるキャッシュは2018-2019年にマイナスと小規模な改善を示した後、2020年に転じて大幅なプラスとなり、2021年には顕著なピークを記録した。2022年も依然として高水準を維持するが、2023年には再びマイナスへ転じており、運用資金の創出能力が年次で大きく変動していることが読み取れる。次に、投資活動によるキャッシュは長期にわたり大きなマイナスが続き、特に2021年と2022年に顕著な資本支出・投資の進行が示唆される。一方、2023年には資産売却等の影響でプラスに転じている。財務活動は初期には正の寄与を示したが、2021年以降は連続して負の寄与となり、資金の流出が継続的に発生している。最後に、3区分の合計で見ると、2018年と2020-2021年には正の純キャッシュフローを維持したものの、2022-2023年には再度マイナスが広がっている。

この期間のボラティリティは、運転資本の変動と資本投下・資産売却の組み合わせによって年次で大きく揺れていることを示唆する。現金及び現金同等物の流動性を保つには、運用キャッシュの変動要因を安定化させる施策と、投資・財務戦略の財務実績との整合を図ることが重要となろう。

要約のポイント

データセットは、年次ベースの1株当たり利益指標を示しており、基本EPSと希薄化後EPSの動きは期間を通じて極めて変動性が高い。1株当たり配当金のデータは欠損で、配当実績はこの期間からは読み取れない。

年次別のEPSの推移と差異

基本EPS: 2018/12/31 -4.95; 2019/12/31 -1.55; 2020/12/31 -1.96; 2021/12/31 30.31; 2022/12/31 21.26; 2023/12/31 -12.33

希薄化後EPS: 2018/12/31 -4.95; 2019/12/31 -1.55; 2020/12/31 -1.96; 2021/12/31 28.29; 2022/12/31 20.12; 2023/12/31 -12.33

基本EPSと希薄化後EPSは全期間ほぼ連動するが、2021年と2022年には基本EPSが希薄化後EPSを上回り、希薄化の影響が一部反映されている。2018年〜2020年および2023年は両指標が同一の値を示す。

1株当たり配当金のデータ

データ行には欠損があるため、該当期間の配当金情報は提供されていない。

傾向と解釈の要点

全体として、EPSが年を追うごとに大きく変動している。2020年までのマイナス圏から、2021年に大幅な正値へ急転換し、その水準を2022年も維持した後、2023年には再びマイナスへ転じている。大幅な変動は、収益性の季節性・構造的変化・一時的要因の影響を反映している可能性を示唆するが、データだけから具体的な要因は特定できない。配当情報の欠如により、株主還元の安定性や実務的な資本配分の評価は不可能である。