貸借対照表の構造:資産
四半期データ
レポートに基づく: 10-Q (報告日: 2024-03-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-Q (報告日: 2023-09-30), 10-Q (報告日: 2023-06-30), 10-Q (報告日: 2023-03-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-Q (報告日: 2022-09-30), 10-Q (報告日: 2022-06-30), 10-Q (報告日: 2022-03-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-Q (報告日: 2021-09-30), 10-Q (報告日: 2021-06-30), 10-Q (報告日: 2021-03-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-Q (報告日: 2020-09-30), 10-Q (報告日: 2020-06-30), 10-Q (報告日: 2020-03-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-Q (報告日: 2019-09-30), 10-Q (報告日: 2019-06-30), 10-Q (報告日: 2019-03-31).
- 流動資産の構成変化
- 流動資産は、全期間を通じて総資産の約40%から60%の範囲で推移しており、2021年の後半から2023年にかけて割合が非常に高まり、2023年9月期には約61%に達している。特に、短期投資や売掛金の割合が増加しており、運転資金の充実や投資活動の拡大を示唆している。一方、現金及び現金同等物の割合は、一定の変動はあるものの比較的安定しており、資金流動性維持のための重要な流動資産として位置付けられる。
- 短期投資の増加傾向
- 短期投資の総資産に占める割合は、2019年から2021年にかけて顕著に増加し、その後はやや横ばいとなっているが、2023年前半には一定の縮小傾向も見られる。これは、資本の効率的運用やリスク分散を意図した投資戦略の変化を反映していると考えられる。短期投資の変動は流動性管理や市場環境の変化を受けている可能性がある。
- 売掛金の動向
- 売掛金の総資産に占める割合は、2019年から2021年にかけて安定もしくは微増しており、2021年の後半にかけてやや増加傾向を示す。これは、販売活動の拡大や顧客からの未収金が増加していることを示唆している。売掛金の増加はキャッシュフローに一時的な圧迫をもたらす可能性があるため、収益性と資金回収の効率性に注意が必要である。
- 在庫の推移
- 在庫は、2019年から2021年にかけてやや増加傾向を示し、その後は横ばいもしくは微増している。特に、2021年の後半に10%を超える割合に達しており、商品や原材料の蓄積を通じて生産や販売の拡大を反映している可能性がある。ただし、過剰在庫のリスクや陳腐化の懸念も考慮すべきである。
- 有形固定資産と無形資産の動き
- 有形固定資産は、2021年以降徐々に増加しており、2023年9月期には総資産比で約9.2%に達している。これは、新規設備投資や資産の更新・拡張を示唆している。一方、無形固定資産は全期間を通じて22%から15%の範囲で推移し、経営戦略や資産の償却状況を反映している。とくに、無形固定資産の割合は全体の重要な構成要素であり、ブランド価値や技術的資産への投資の一端を示すものである。
- その他の資産と繰延法人税の動向
- その他の資産は一定の割合で推移しており、2023年9月期には約1.63%で安定している。また、繰延法人税の純額は、ほぼ一定範囲で推移しているが、2020年の第3四半期に一時的に上昇し、その後は徐々に低下傾向にある。これらは税務調整や資産評価の変動を反映していると考えられる。
- 全体の傾向と示唆
- 全期間を通じて、流動資産の割合が高まる傾向が顕著であり、特に2021年以降は資産構成において流動性の確保と投資拡大が進行していることが読み取れる。これにより、企業は市場の変動に柔軟に対応しつつ成長戦略を推進していると考えられる。一方で、固定資産の増加も併せて見られ、設備投資への積極的な取り組みも併存している。資産構成の変化は、市場環境や経営方針の戦略的な調整を反映しており、今後の財務状況や資金繰りの動向に注目が必要である。