損益計算書の構造
CVS Health Corp.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 収益構成の変化
- 2020年から2024年にかけて、顧客からの総収益に占める比率は減少傾向を示しており、プロダクツが主導する収益構造から保険料の割合が増加する方向へ変化している。2020年には70%台だった割合が、2024年には33.16%に低下している一方、保険料の比率はわずかな上昇を経て増加し、顧客からの収益の多様化が進んでいることが示唆される。
- 収益性の動向
- 粗利益率は段階的に低下しており、2020年の18.01%から2024年には13.29%へと減少している。営業利益も同様に低下傾向にあり、2020年の5.19%から2024年には2.3%に落ち込んでいる。これらは収益構造の変化やコスト増加による収益性の圧迫を反映している可能性がある。
- コストと利益の詳細
- 販売された製品のコストは、特に2024年には利益に対して比較的小さな割合となり、約55.65%まで改善している。医療費の割合は引き続き高く、2024年には31.06%に達しており、顧客からの収益に対する医療コストの圧迫が持続していることがわかる。一方、純投資収益は微増しながらも、全体としては利益に対する寄与は限定的である。
- 非経常項目と資産除却
- リストラクチャリング費用や訴訟関連費用、資産の減損・売却損は、2023年にかけて顕著な増減を見せており、これらの項目が一時的な経費圧縮や損失をもたらしている。特に2023年においてはリストラクチャリングや訴訟費用が計上されているため、経営構造改善や法的リスクに対処していると考えられる。
- 利益と税金の動向
- 営業利益及び当期純利益は全体として低下しており、2024年の当期純利益は約1.24%と低迷している。法人税引前の利益は増減を繰り返しながらも、最終的な純利益の割合は縮小しており、税負担やコスト増加が収益性へ悪影響を及ぼしていると推測される。
- 総合的な展望
- 収益構造の変化とコスト増加による収益性の低下が見て取れる。一方、医療費や訴訟関連費用の増加は、事業運営におけるリスクとコストの拡大を示している。今後の戦略としては、収益源の多様化とコストコントロールが重要となると考えられる。