貸借対照表の構造:資産
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2019-09-30), 10-K (報告日: 2018-09-30), 10-K (報告日: 2017-09-30), 10-K (報告日: 2016-09-30), 10-K (報告日: 2015-09-30), 10-K (報告日: 2014-09-30).
- 総資産の推移と内訳の変化
- 総資産の構成は年々類似したパターンを示しており、流動資産は約45%前後の割合で安定して推移している。一方、有形固定資産やプラント・設備の割合はおよそ15%から18%の範囲であり、長期資産の比重が高い状態を維持している。無形資産の比率は近年増加傾向にあり、特にブランドや特許などの無形資産の価値が高まっていることが示唆される。
- 流動資産の構成の変動と意味
- 流動資産の割合は40%後半から30%台にやや低下し、一時的に減少傾向を示している。特に現金および同等物の割合は一貫して高水準ながら、2018年に大きく低下し、その後わずかに回復している。売掛金の比率も減少傾向にあり、運転資金や資金管理に変化があった可能性がある。一方、その他の流動資産は動きが激しく、資産の流動性管理の変動を反映している。
- 長期資産の内訳と動向
- 固定資産の割合はおおむね55%前後と高い水準を維持しており、その中でも無形資産は増加傾向を示している。特に企業のブランド価値や特許の重要性が高まっていると考えられる。プラント・設備の比率はほぼ一定で、設備投資の継続を示唆している。その他の固定資産の変動は一部増減があり、資産構成の見直しや資産売却、買収等の影響と考えられる。
- 特定の資産項目の変動と考察
- 未請求債権(契約資産)についてはデータが欠落しているが、他の資産については、アスベスト関連保険債権や繰延法人税等の項目が存在し、特定リスクや税務上の調整が反映されている。年金資産の比率は2014年に存在しなかったが、2015年以降1%台から2%以上に増加し、引き続き年金負債や資産管理の重要性を示している。
- 総合的な資産比率の変化と姿勢
- 総じて、総資産に対する各資産の比率は安定しているものの、一部の項目では顕著な変動も見られる。特に無形資産やその他資産の比率の増加は、企業の戦略的な資産の強化や価値創造の方向性を反映していると考えられる。また、流動性の管理と長期資産への投資のバランスが重要な経営課題として浮上している。