Emerson Electric Co. (NYSE:EMR)

分析の結果、営業活動による現金は、2014年度の3,692百万米ドルから2019年度の3,006百万米ドルまでの期間にわたり、一定の変動を示しているが、全体としては横ばいの傾向にある。特に、2015年度に大きな落ち込みが見られるものの、その後の年度では徐々に回復し、2018年度には以前の水準に近い数値に回復していることがわかる。

フリーキャッシュフロー（FCFF）の動向

フリーキャッシュフローも同様に、2014年度の3,062百万米ドルから2019年度の2,571百万米ドルまで推移しており、多くの期間で安定的な水準を維持している。こちらも2015年度に一時的に減少したものの、その後は緩やかに増加傾向を示し、最終年度には2014年度に近い水準へと回復している。これにより、営業キャッシュフローの変動に対して、フリーキャッシュフローは比較的安定した動きを見せていることが示唆される。

全体として、二つの指標は一定の低下と回復を繰り返す形で推移しており、営業活動のキャッシュフローは一定の水準を維持しながらも、外部環境の変動や経営状況を反映した変動が見られる。フリーキャッシュフローも同様に、特定の年度に一時的に減少したものの、長期的には堅調な経営基盤を示していると解釈できる。

実効所得税率 (EITR)の動向

過去6年間にわたり、実効所得税率は全体的に減少傾向を示している。具体的には、2014年の34.8%から2019年の18.6%まで段階的に低下しており、税負担の軽減が進んでいることが読み取れる。この傾向は、税法の変更や税効果の最適化を反映している可能性がある。

利息支払額の推移

税引き後のすべての債務に対して支払われた利息は、同期間中、一定の範囲内で推移している。2014年の137百万米ドルから2019年には159百万米ドルに増加しているが、年間の変動は比較的小さく、一定の財務活動や資本構成の安定性を示唆していると考えられる。

総合的な分析

実効所得税率の下降傾向により、税負担の軽減とともに純利益に対する好影響が予想される。一方、利息支払額の変動は、債務水準や資金調達状況の安定性を示し、財務構造が比較的安定していることを示唆している。両者の動向からは、企業は効率的な税戦略と資金調達を維持しつつ、財務の安定性を図っているものと推測される。

企業価値（EV）の推移について

2014年から2019年までの期間において、企業価値は全体的に増加傾向を示している。2014年の47,420百万米ドルから2019年には48,778百万米ドルへと増加し、一時的に2015年に大きく減少しているものの、その後は緩やかに回復している。この傾向からは、全般的に企業の価値は向上しているとみなせる。

フリーキャッシュフロー（FCFF）の動向について

フリーキャッシュフローは、2014年の3,062百万米ドルから2019年の2,571百万米ドルまでの期間において、一定の増加傾向を示している。ただし、2015年には一時的に減少していることから、その後は安定して回復基調にあります。全体としてキャッシュ創出能力は持続的に改善していると判断できる。

EVとFCFFの比率（EV/FCFF）の変化について

この比率は2014年の15.49から2019年の18.97まで変動しており、2018年に19.23とピークを迎えた後、やや低下している。比率の上昇は、企業の価値がキャッシュフローに対して相対的に高く評価されている可能性を示している。一方、2019年の比率のわずかな低下は、市場の評価がやや軟化している兆候とも解釈できる。

総合的な評価

これらのデータからは、全体として企業価値およびフリーキャッシュフローは安定的に推移しており、価値の向上とともにキャッシュ創出力も改善していることが示唆される。ただし、企業評価の指標であるEV/FCFFには一定の変動があり、市場の評価が変化している可能性も考えられることから、今後の経済環境や業績動向に注意を要すると考えられる。