損益計算書
損益計算書は、一定期間にわたる企業の事業活動の財務結果に関する情報を示しています。損益計算書は、会社が期間中にどれだけの収益を生み出したか、そしてその収益を生み出すことに関連してどのような費用がかかったかを伝えます。
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Royal Caribbean Cruises Ltd.、連結損益計算書
千米ドル
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 総収益の推移と収益構造の変化
- 2017年から2019年にかけて、総収益は着実に増加し、2019年には1兆975億ドルを超えた。その後、2020年には大きく減少し、約2.2億ドルとなったが、その後も回復の兆しは見られず、2021年には約1.53億ドルまで低下した。収益の構成を見ると、旅客航空券の収益が最大の割合を占めており、特に2019年までは堅調に推移していたが、2020年と2021年には著しく減少している。船内収益も同様に減少しており、コロナ禍による影響が顕著であることが示唆される。
- 営業コストおよび利益の変動
- クルーズ運営費は総収益とともに増加し、2019年には6兆6227億円、2020年においては2兆7651億円とピークに達したが、その後2021年には約2兆6575億円に減少した。一方、売上総利益は2019年まで順調に増加し、4億8878万ドルを記録したが、2020年の損失により大きくマイナスに転じ、-11億2537万ドルとなった。同様に、2021年も損失を継続しており、コロナ禍による経済的打撃が財務状況に大きな影響を与えていることが明らかである。
- 営業利益及び純利益の動向
- 営業利益は2017年から2019年にかけて増加を示し、約2億8207万ドルに達したが、2020年には-4億6015万ドルと大きな損失となった。純利益も同様に2020年に大きくマイナスに転じ、その後も引き続き赤字を計上している。2020年および2021年に見られる大幅な純損失は、パンデミックによる旅行・観光業界の停滞および経営の困難さを反映している。
- 収益性および費用構造の詳細
- 2020年以降、支払利息の増大とともに収益性が著しく低下し、税引前利益及び当期純利益はマイナスに転じている。特に、2021年は税引前利益が約-5.3億ドル、当期純利益も同程度の赤字となるなど、大きな財務的課題が継続している。また、減損損失や信用損失も2020年に大きく増加しており、資産の減損リスクおよび信用リスクの高まりが影響していると考えられる。
- その他の重要な収益・費用の動向
- 投資収益やその他の収入も2019年まではプラスを示していたが、2020年以降は大きく減少または赤字に転じており、非コア事業からの収入源も縮小している。特に、その他の収入および費用の赤字拡大は、非本業における損失が財務状況に悪影響を及ぼしていることを示すものである。
- 総合評価と今後の見通し
- コロナ禍の影響により、総収益の大幅な減少とともに、利益水準は著しく低下している。特に、営業利益や純利益の赤字拡大は企業の財務基盤に深刻な負担をもたらしており、当面はコスト削減や事業回復に向けた戦略的対応が必要と考えられる。また、負債関連費用の増加も財務負担を増大させているため、財務構造の健全化を図ることが重要である。