レポート可能なセグメントの分析
3M Co. は、安全と産業の4つのセグメントで事業を展開しています。輸送および電子機器;医療;とコンシューマ。
報告対象セグメントの利益率
3M Co.、報告セグメント別利益率
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 20.90% | 25.95% | 22.81% | 27.40% | 21.79% |
| 輸送機器・電子機器 | 20.55% | 21.83% | 23.13% | 26.21% | 30.28% |
| 医療 | 23.76% | 21.91% | 25.07% | 28.14% | 28.29% |
| 消費者 | 21.31% | 23.41% | 21.71% | 21.06% | 20.99% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体のトレンド分析
- 全体として、4つの報告対象セグメントにおいて、2017年から2021年までの期間中に比較的安定した利益率が見られる。ただし、一部セグメントでは若干の変動や長期的な下落傾向も観察される。
- 安全と産業のセグメント
- このセグメントの利益率は、2017年の21.79%から2018年にかけて大幅に向上し、その後も2019年の22.81%、2020年の25.95%と増加傾向を示していたが、2021年には20.9%に低下している。この動きは、利益率が一時的に改善した後に再び縮小していることを示す。
- 輸送機器・電子機器のセグメント
- このセグメントの利益率は、2017年の30.28%から段階的に低下し、2021年には20.55%にまで減少している。特に2018年以降、一定の減少傾向が見られ、収益性の圧迫要因があった可能性を示唆している。
- 医療のセグメント
- 医療セグメントの利益率は、2017年の28.29%から2019年までの間にやや低下し、2020年には21.91%まで下がったが、その後2021年には23.76%まで回復している。短期的な変動はあるものの、比較的高い利益率を維持しているといえる。
- 消費者のセグメント
- このセグメントは、2017年の20.99%から2019年にかけて若干の上昇を示し、その後2020年に23.41%とピークを迎えている。2021年には再び21.31%にやや下がっているものの、比較的安定した収益性を保っている。
- 総括
- これらの動きから、特定のセグメントでは短期的な利益率の変動や長期的な低下傾向も見られるが、全体的には一定の利益率を維持していることが認められる。特に、医療と消費者セグメントでは相対的に安定して高い利益水準が維持されており、一方、輸送機器・電子機器のセグメントでは利益率の持続的な減少が懸念材料となる可能性がある。
報告対象セグメントの利益率: 安全と産業
3M Co.;安全と産業;セグメント利益率の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,692) | 3,054) | 2,648) | 3,423) | 2,603) |
| 売り上げ 高 | 12,880) | 11,767) | 11,607) | 12,494) | 11,946) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの利益率1 | 20.90% | 25.95% | 22.81% | 27.40% | 21.79% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 売り上げ 高
= 100 × 2,692 ÷ 12,880 = 20.90%
- 売上高の推移
- 売上高は2017年から2021年まで概ね増加傾向にあり、特に2021年の12880百万米ドルは、前年の11767百万米ドルからの増加を示している。これは、市場展開の拡大または新規事業の寄与による売上高の成長を示唆している。
- 事業セグメントの営業利益
- 営業利益は2017年の2603百万米ドルから2018年に急増し3423百万米ドルに達したものの、その後は2020年まで3054百万米ドルを維持している。しかし、2021年には2692百万米ドルへと減少しており、利益額は期間を通じて変動しているが、2021年にはやや縮小した傾向が見られる。
- 利益率の変動
- 報告対象セグメントの利益率は2017年の21.79%から2018年に27.4%へと上昇し、2019年には22.81%に低下した。その後、2020年には再び25.95%へと回復するも、2021年には20.9%と再び低下した。これらの変動は、利益獲得効率の短期的な変動やコスト構造の変動を反映している可能性がある。
- 総括的な分析
- 総じて、売上高は増加傾向を維持している一方で、営業利益や利益率には一時的な変動が見られる。特に2021年には売上高の増加にもかかわらず利益率が低下しており、利益の相対的な伸びが鈍化している可能性がある。この傾向は、売上拡大と並行してコストや効率性の改善が求められることを示唆している。ただし、売上高の堅調な増加は、市場における企業の競争力を示すものであると考えられる。
報告対象セグメントの利益率: 運輸・電子工学
3M Co.;輸送および電子機器;セグメント利益率の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,008) | 1,927) | 2,221) | 2,649) | 2,986) |
| 売り上げ 高 | 9,769) | 8,827) | 9,602) | 10,106) | 9,861) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの利益率1 | 20.55% | 21.83% | 23.13% | 26.21% | 30.28% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 売り上げ 高
= 100 × 2,008 ÷ 9,769 = 20.55%
- 売上高の推移
- 売上高は2017年から2018年にかけて増加し、その後2019年に減少したものの、2020年および2021年に再び回復傾向を示している。特に2018年には一時的にピークに達しているが、その後はやや縮小していることが認められる。
- 事業セグメントの営業利益の動向
- 営業利益は2017年に約2986百万米ドルを記録した後、2018年にやや減少したが、その後2019年、2020年、2021年と段階的に低下している。特に2019年には一層の減少がみられ、その後に若干の回復はあるものの、基本的に2017年の水準から下回る状態が続いている。
- 利益率の変化
- 報告対象セグメントの利益率は、2017年の30.28%から2018年に下落し、2019年には更に低下している。さらに2020年と2021年には引き続き低下しており、2017年に比べて約10ポイント以上縮小していることから、収益性の低下傾向が明らかである。
- 概要と考察
- これらのデータが示すのは、総売上高の短期的な変動とともに、営業利益および利益率の継続的な低下である。売上高は回復基調にあるものの、営業利益の減少と利益率の縮小が全体の収益性に悪影響を及ぼしている。これにより、コスト構造の効率化や収益性改善に向けた経営戦略の見直しが必要と考えられる。
報告対象セグメントの利益率：医療
3M Co.;医療;セグメント利益率の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,150) | 1,828) | 1,863) | 1,921) | 1,877) |
| 売り上げ 高 | 9,050) | 8,345) | 7,431) | 6,826) | 6,635) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの利益率1 | 23.76% | 21.91% | 25.07% | 28.14% | 28.29% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 売り上げ 高
= 100 × 2,150 ÷ 9,050 = 23.76%
- 事業セグメントの営業利益
- 2017年から2021年にかけて、事業セグメントの営業利益は比較的安定して推移しており、2018年に若干増加した後、2019年と2020年にわずかに減少していますが、それ以降は再び増加傾向にあります。特に2021年には2150百万米ドルへと増加し、ピークを記録しています。これは、コスト管理の改善または収益性の向上を示す可能性があります。
- 売り上げ 高
- 売り上げ高は2017年から2021年にかけて連続して増加しており、特に2020年以降の伸びが顕著です。2021年には9050百万米ドルとなり、過去5年間の中で最も高い水準に達しています。この継続的な成長傾向は、製品・サービスの需要増または市場拡大を反映していると考えられます。
- 報告対象セグメントの利益率
- 利益率は2017年から2018年にかけてほぼ維持されていますが、2019年には25.07%とやや低下し、その後2020年には21.91%と大きく落ち込みました。これは、売上高増加に伴いコストや競争が激化した可能性を示唆します。一方、2021年には23.76%へと回復し、利益効率の改善が見られます。
- 総合的な評価
- 全体として、売上高と営業利益は長期的に増加傾向にあり、収益性も2021年には改善しています。売上の拡大とともに効率的なコスト管理が進み、利益率の回復がみられることから、企業の事業運営は堅調に推移していると考えられます。ただし、利益率の一時的な低下については、コスト構造や市場競争の変化に留意する必要があります。
報告対象セグメントの利益率：消費者
3M Co.;消費者;セグメント利益率の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 1,248) | 1,249) | 1,105) | 1,071) | 1,051) |
| 売り上げ 高 | 5,856) | 5,336) | 5,089) | 5,086) | 5,006) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの利益率1 | 21.31% | 23.41% | 21.71% | 21.06% | 20.99% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 売り上げ 高
= 100 × 1,248 ÷ 5,856 = 21.31%
- 売上高の推移：
- 売上高は2017年から2021年にかけて着実に増加しており、特に2020年から2021年にかけての伸び率が顕著である。2017年には約50億ドルだった売上高は、2021年には約59億ドルに達しており、市場拡大または販売活動の強化が示唆される。
- 営業利益の推移：
- 事業セグメントの営業利益は、2017年から2021年までほぼ横ばいまたはわずかに増加しており、2017年の約10.5億ドルから2021年には約12.4億ドルに増加している。2020年の利益は1249百万ドルと、2019年（約11.05億ドル）に比べて若干増加しているものの、2021年にほぼ横ばいとなっている。これにより、売上高の増加にもかかわらず、利益率の改善には限界があることが示唆される。
- 利益率の分析：
- 報告対象セグメントの利益率は、2017年から2019年にかけて着実に上昇し、2019年には約21.71%に達している。2020年には約23.41%とピークを迎えたが、その後2021年には約21.31%にやや低下している。利益率の下降は、コスト増加や価格競争の激化などの要因を反映している可能性がある。全体としては、利益率は高水準を維持しつつも、若干の軟化が見られる。
- 総合的な観察：
- 総じて、売上高の持続的な増加とともに、営業利益も堅調に推移している。一方、利益率のピーク後のやや低下が見られ、コスト構造や競争環境の変動が利益率に影響している可能性がある。今後の展望としては、売上増加のペースを維持しつつ、利益率の向上に向けたコスト管理や効率化の取り組みが重要となると考えられる。
報告対象セグメントの総資産利益率
3M Co.、報告セグメント別総資産利益率
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 22.92% | 26.08% | 21.03% | 26.16% | 19.20% |
| 輸送機器・電子機器 | 28.69% | 27.54% | 29.18% | 34.08% | 38.35% |
| 医療 | 15.30% | 12.58% | 12.25% | 27.09% | 25.86% |
| 消費者 | 44.84% | 48.66% | 39.58% | 36.15% | 36.13% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体の傾向
- 2020年以前には、各セグメントの総資産利益率（ROA）は比較的高水準で推移していたが、2020年のデータは示されていないため、詳細な比較は困難である。2021年に再確認できる範囲では、消費者セグメントを除き、全てのセグメントでやや低下または横ばいの傾向が見られる。特に医療セグメントにおいては大きな変動が見られ、ROAが12.25%から15.3%へ回復してきているものの、2020年のデータが得られないために完全な傾向の把握には限界がある。
- セグメント別分析
- 安全と産業セグメントのROAは、2017年から2021年にかけて、一部の年で上昇と安定を見せている。2019年には21.03%とやや減少したものの、その後2020年以降は26.08%、22.92%と回復傾向を示しつつ、全体としては高い利益率を維持している。一方、輸送機器・電子機器セグメントでは、2017年の38.35%から2019年には29.18%に低下したが、2020年から2021年にかけて再び28%台に回復している。ただし、2018年から2019年にかけての下落がやや目立つ。医療セグメントは、2017年と2018年には約25%前後で安定していたが、2019年と2020年に大きく低下し、2021年にやや回復している。消費者セグメントは、2017年から2020年まで一貫して高いROAを示し、2019年には39.58%、2020年には48.66%とピークを迎え、2021年も44.84%と高水準を維持している。これは、当該セグメントの収益性の高さと安定性を示唆している。詳細な比較情報をもとに、各セグメントの収益性の変動要因や、外部市場の影響についてさらに分析を深める必要がある。
報告対象セグメントの総資産利益率: 安全と産業
3M Co.;安全と産業;セグメント総資産利益率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,692) | 3,054) | 2,648) | 3,423) | 2,603) |
| 財産 | 11,744) | 11,711) | 12,593) | 13,086) | 13,560) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの総資産利益率1 | 22.92% | 26.08% | 21.03% | 26.16% | 19.20% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの総資産利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 財産
= 100 × 2,692 ÷ 11,744 = 22.92%
- 事業セグメントの営業利益
- 2017年から2021年にかけて、事業セグメントの営業利益は一時的に増加し、2018年にはピークを記録したが、その後はやや減少傾向にある。特に2019年には約2,648百万米ドルに減少したが、2020年には再び約3,054百万米ドルに回復し、その後2021年には2,692百万米ドルとなった。この動きは、営業利益が一定の変動を伴いつつも、総じて高い水準を維持していることを示している。
- 財産
- 総資産は2017年から2019年にかけて減少し、2019年には12,593百万米ドルとなった。その後、2020年にかけて減少傾向が続いたが、2020年末には11,711百万米ドルまで減少し、その後2021年には11,744百万米ドルにわずかに増加した。全体としては、資産規模は緩やかに縮小し、その後横ばいの状態にあることが見て取れる。
- 報告対象セグメントの総資産利益率
- この指標は、2017年に19.2%と比較的低い水準から開始し、2018年に26.16%へと大きく上昇した。2019年には21.03%にやや低下したものの、2020年には再び26.08%と高い水準に回復した。2021年には22.92%にやや低下したが、それでも高い効率を維持している。これらの変動は、資産活用の効率性が年度によって変動していることを示している。特に、2018年と2020年には高い資産利益率を示し、資産の効率的な活用が顕著であった。
報告対象セグメントの総資産利益率: 運輸・電子工学
3M Co.;輸送および電子機器;セグメント総資産利益率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,008) | 1,927) | 2,221) | 2,649) | 2,986) |
| 財産 | 6,999) | 6,997) | 7,611) | 7,773) | 7,786) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの総資産利益率1 | 28.69% | 27.54% | 29.18% | 34.08% | 38.35% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの総資産利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 財産
= 100 × 2,008 ÷ 6,999 = 28.69%
- 事業セグメントの営業利益の推移
- 2017年から2021年にかけて、事業セグメントの営業利益は一貫して減少しており、2017年の3,986百万米ドルから2020年の1,927百万米ドルまで低下した。その後、2021年には約20億ドルとわずかに回復し、前年度比で増加傾向を示している。ただし、全体としては減少基調が続いていることから、利益率の低下やコスト増、事業構造の変化に伴う影響が考えられる。
- 総資産の推移
- 総資産は、2017年の7,786百万米ドルから2019年には一時減少し、7,611百万米ドルを記録。その後、2020年と2021年にはほぼ横ばいの7,997百万米ドルと推移しており、資産規模は安定していると考えられる。ただし、資産の増減は比較的小さく、規模拡大のための積極的な投資や資産売却の兆候は見られない。
- 総資産利益率（ROA）の動向
- 総資産利益率は2017年の38.35%から2018年の34.08%、2019年には29.18%、2020年には27.54%といったように、継続的に低下している。その後、2021年には28.69%へやや回復したものの、依然として2017年の水準には及ばない。これは、資産効率の低下や利益率の圧迫が続いていることを示唆しており、資産運用の効率化や収益性改善の必要性が示唆される。
報告対象セグメントの総資産利益率：医療
3M Co.;医療;セグメント総資産利益率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 2,150) | 1,828) | 1,863) | 1,921) | 1,877) |
| 財産 | 14,055) | 14,531) | 15,210) | 7,092) | 7,258) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの総資産利益率1 | 15.30% | 12.58% | 12.25% | 27.09% | 25.86% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの総資産利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 財産
= 100 × 2,150 ÷ 14,055 = 15.30%
- 事業セグメントの営業利益について
- 2017年から2019年にかけて、営業利益は比較的横ばいの傾向を示し、2018年にはわずかに増加したものの、2019年にはやや減少している。その後、2020年には再び減少したものの、2021年には大きく回復し、過去最高に近い水準となっている。この動きは、短期的な市場や内部の事業戦略の変動を反映している可能性がある。
- 財産（総資産）について
- 総資産は2017年から2018年にかけて減少しているが、その後2019年に劇的に増加している。特に、2019年の財産額は約1.52兆ドルと、前年度の約0.71兆ドルと比較して著しい増加を示している。この背景には大規模な資産の増加または資産項目の拡充が考えられる。一方、2020年と2021年にはやや減少しており、資産の拡大基調は一時的なものであった可能性もある。
- 報告対象セグメントの総資産利益率（ROA）について
- ROAは2017年と2018年に約25%台と高水準を維持し、効率的な資産運用が行われていたことが示唆される。2019年にはROAが約12.25%に大きく低下し、資産増加に比して利益の伸びが鈍化したことを反映している。2020年と2021年にはROAがやや回復し、15%台の水準まで上昇しているが、過去の水準には及んでいない。これらの動きは、資産の増加と利益率の変動の間に関係があることを示している。
報告対象セグメントの総資産利益率：消費者
3M Co.;消費者;セグメント総資産利益率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 事業セグメントの営業利益 | 1,248) | 1,249) | 1,105) | 1,071) | 1,051) |
| 財産 | 2,783) | 2,567) | 2,792) | 2,963) | 2,909) |
| 報告可能なセグメントの収益性比率 | |||||
| 報告対象セグメントの総資産利益率1 | 44.84% | 48.66% | 39.58% | 36.15% | 36.13% |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの総資産利益率 = 100 × 事業セグメントの営業利益 ÷ 財産
= 100 × 1,248 ÷ 2,783 = 44.84%
- 事業セグメントの営業利益
- この指標は、2017年から2021年にかけて概ね堅調に推移しており、ほぼ横ばいの動きを示している。2019年にやや増加し、その後2020年にかけてほぼ維持されているが、2021年にはわずかな減少が見られる。全体的には安定した収益基盤を示していると考えられる。
- 財産
- 総資産は2017年から2018年にかけて微増した後、2019年には一時的に減少し、2020年には大きく縮小している。2021年には再び増加に転じていることから、資産規模の変動は比較的著しいものの、最終的には2021年に資産水準を回復していると判断される。資産の変動は事業規模の調整や資産売却・取得の影響と関係している可能性がある。
- 報告対象セグメントの総資産利益率（ROA）
- この比率は、2017年から2021年にかけて一貫して上昇傾向を示し、特に2019年以降は高い水準で推移している。2017年の36.13％から2019年には39.58％に増加し、その後2020年には大幅に48.66％に達している。2021年にはやや縮小しているものの44.84％と高水準を維持しており、資産に対する収益性は向上していることが示唆される。これにより、効率的な資産運用やコスト管理の改善が反映されていると推測される。
報告対象セグメント資産回転率
3M Co.、報告セグメント別資産回転率
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 1.10 | 1.00 | 0.92 | 0.95 | 0.88 |
| 輸送機器・電子機器 | 1.40 | 1.26 | 1.26 | 1.30 | 1.27 |
| 医療 | 0.64 | 0.57 | 0.49 | 0.96 | 0.91 |
| 消費者 | 2.10 | 2.08 | 1.82 | 1.72 | 1.72 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体的な傾向について
- 各セグメントの資産回転率は、評価期間全体を通じて一定の変動を示している。特に、消費者セグメントは継続的に向上傾向にあり、2021年には最も高い資産回転率を記録している。一方、医療セグメントは2017年から2019年にかけて大きく低下し、その後一部回復しているが、依然として2017年の水準を下回っている。安全と産業セグメントは概ね安定しており、2021年まで緩やかな増加を見せている。輸送機器・電子機器セグメントは比較的高い水準を維持しつつも、2018年にわずかな増加を見せている。
- セグメントごとの詳細な傾向
- 安全と産業セグメントは、やや増加傾向にあるものの、比較的安定した範囲内で推移しており、資産効率の向上が緩やかに進んでいることが示唆される。輸送機器・電子機器セグメントは、全期間を通じて高い資産回転率を維持し、効率的な資産運用が行われていることを示している。医療セグメントは、2017年から2018年にかけてやや改善した後、2019年に急激に低下し、その後の回復も限定的であり、資産の効率性に課題がある可能性が考えられる。消費者セグメントは、2017年から2021年にかけて連続的な成長を遂げており、資産回転率の改善を通じて資産の効率的運用が進んでいることが示されている。
- 総合的な解釈
- 各セグメントの資産回転率の推移からは、企業全体として資産の効率性改善に向けた取り組みが進行していると考えられる。ただし、医療セグメントには改善の余地があることも示唆されており、特に2019年の著しい低下は注意を要する。逆に、消費者セグメントにおいては、継続的な改善が見られ、資産活用効率が向上していることから、今後の成長の可能性も期待できる。一方、比較的安定している輸送機器・電子機器セグメントも、効率性の維持に努めていることが推察される。全体として、資産の運用効率向上に向けた取り組みが各セグメントで進んでいることが読み取れるが、医療セグメントへの追加的な改善施策の検討も重要となる可能性がある。
報告対象セグメント資産回転率: 安全と産業
3M Co.;安全と産業;セグメント資産回転率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 売り上げ 高 | 12,880) | 11,767) | 11,607) | 12,494) | 11,946) |
| 財産 | 11,744) | 11,711) | 12,593) | 13,086) | 13,560) |
| 報告可能なセグメントの活動率 | |||||
| 報告対象セグメント資産回転率1 | 1.10 | 1.00 | 0.92 | 0.95 | 0.88 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメント資産回転率 = 売り上げ 高 ÷ 財産
= 12,880 ÷ 11,744 = 1.10
- 売り上げ高の推移
- 2017年から2018年にかけて売り上げ高は微増しているが、2019年には若干減少した。その後、2020年には横ばいの範囲内で推移しているものの、2021年には再び増加し、過去最高値に近づいている。これにより、売り上げは全体的に見て堅調な成長傾向を示していると考えられる。
- 財産の推移
- 財産の総額は2017年から2019年にかけて徐々に減少しており、特に2018年に減少幅が拡大している。その後、2020年に再び減少し、2021年にはわずかな増加が見られるものの、2017年の水準には達していない。この動きは、資産の縮小傾向を示唆していると考えられる。
- 報告対象セグメント資産回転率
- この財務比率は、2017年には0.88であったが、年々上昇し、2018年には0.95、2019年に0.92となった。2020年には1に達し、2021年には1.1へとさらに増加している。資産回転率の上昇は、効率的な資産運用や売上に対する資産の効果的な活用を示す指標と解釈され、企業の運営効率が改善している可能性を示唆している。
報告対象セグメント資産回転率: 運輸・電子工学
3M Co.;輸送および電子機器;セグメント資産回転率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 売り上げ 高 | 9,769) | 8,827) | 9,602) | 10,106) | 9,861) |
| 財産 | 6,999) | 6,997) | 7,611) | 7,773) | 7,786) |
| 報告可能なセグメントの活動率 | |||||
| 報告対象セグメント資産回転率1 | 1.40 | 1.26 | 1.26 | 1.30 | 1.27 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメント資産回転率 = 売り上げ 高 ÷ 財産
= 9,769 ÷ 6,999 = 1.40
- 売上高の推移
- 2017年から2018年にかけて、売り上げは約2.4%増加し、1兆106億米ドルに達した。一方、2019年には約5.4%減少し、9602百万米ドルとなった。その後、2020年には約7.7%減少して8827百万米ドルに下落したが、2021年には再び約10.5%増加して9769百万米ドルに回復している。これらの動きは、売上が一時的に減少した期間を経て再び上昇傾向にあることを示している。
- 財産の推移
- 総資産は2017年の7786百万米ドルから2018年にほぼ横ばいの7773百万米ドルを維持し、その後徐々に減少し始めている。2019年には7611百万米ドル、2020年には6997百万米ドルと減少傾向が続き、2021年も6999百万米ドルとほぼ横ばいで推移していることから、総資産は総じて縮小傾向にあると考えられる。
- 資産回転率の変化
- 報告対象セグメント資産回転率は、2017年から2018年にかけて1.27から1.3へやや上昇し、その後2019年・2020年は1.26に安定していた。2021年には1.4と顕著に上昇しており、資産に対する売上の効率性が改善していることを示唆している。特に2021年の回転率の増加は、資産の効率的な利用により売上の増加に寄与した可能性がある。
報告対象セグメント資産回転率：医療
3M Co.;医療;セグメント資産回転率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 売り上げ 高 | 9,050) | 8,345) | 7,431) | 6,826) | 6,635) |
| 財産 | 14,055) | 14,531) | 15,210) | 7,092) | 7,258) |
| 報告可能なセグメントの活動率 | |||||
| 報告対象セグメント資産回転率1 | 0.64 | 0.57 | 0.49 | 0.96 | 0.91 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメント資産回転率 = 売り上げ 高 ÷ 財産
= 9,050 ÷ 14,055 = 0.64
- 売上高の動向
- 売上高は2017年から2021年までの期間にわたり一貫して増加しており、特に2020年と2021年において顕著な伸びが見られる。2017年の6,635百万米ドルに対して、2021年には9,050百万米ドルとなり、約36.4％の増加を示している。これは、同期間において商品およびサービスの需要拡大や事業展開の拡大を反映している可能性がある。
- 資産の推移
- 財産は2017年の7,258百万米ドルから2019年に一時的に15,210百万米ドルに拡大し、その後若干縮小しながらも2021年には14,055百万米ドルに達している。特に2019年には大きな増加を示しており、これは資産規模の大幅な拡大期を示唆している。一方で、その後の減少は資産の一部縮小または資産構成の見直しを反映している可能性がある。
- 資産回転率の変化
- 報告対象セグメント資産回転率は、2017年の0.91から2018年に0.96へ向上した後、2019年に0.49と大幅に低下し、その後2020年と2021年には0.57および0.64に改善している。これらの推移は、資産の効率的な運用が年ごとに変動していることを示唆し、特に2019年の大幅な低下は資産の効率性の一時的な悪化を示している可能性がある。2020年以降の回復は効率性の再向上を示しており、管理の見直しや資産の最適化が図られたと考えられる。
報告対象セグメント資産回転率：消費者
3M Co.;消費者;セグメント資産回転率の算出
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 売り上げ 高 | 5,856) | 5,336) | 5,089) | 5,086) | 5,006) |
| 財産 | 2,783) | 2,567) | 2,792) | 2,963) | 2,909) |
| 報告可能なセグメントの活動率 | |||||
| 報告対象セグメント資産回転率1 | 2.10 | 2.08 | 1.82 | 1.72 | 1.72 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメント資産回転率 = 売り上げ 高 ÷ 財産
= 5,856 ÷ 2,783 = 2.10
- 売上高の推移
- 2017年から2021年にかけて、売上高は全体的に増加傾向を示している。2017年には約SP$5,006百万円だったものが、2021年には約SP$5,856百万円に達し、年平均を通じて安定した成長が確認できる。特に2020年から2021年にかけての伸びが顕著であり、同期間において売上規模が拡大していることを示している。
- 資産の変動
- 総資産は2017年の2,909百万米ドルから2021年の2,783百万米ドルに一時的に減少した後、再び2,783百万米ドルまで回復している。この間の変動には若干のマイナス沿いの動きも見られるが、2021年時点でも比較的資産規模が維持されていることが観察される。資産の増減は、営業活動や投資活動の動向と連動している可能性がある。
- 資産回転率の推移
- 報告対象セグメント資産回転率は、2017年の1.72から2021年には2.1へと上昇している。これは、資産に対して売上を生み出す効率が向上していることを示しており、資産の効率的な運用が改善している可能性を示唆している。この増加傾向は、資産の運用効率化や営業活動の効率化によるものと考えられる。
- 総合的な見解
- これらのデータから、売上高は安定的に増加しており、営業規模の拡大が示唆される。一方、資産は一時的な変動を見せながらも、概ね維持または回復傾向にある。資産回転率の向上は、資産効率の改善に寄与しており、市場環境や内部の効率化施策が一定の効果を上げている可能性がある。総じて、同期間において業績と資産効率はどちらも改善または安定しており、企業の財務パフォーマンスは堅調に推移していると評価できる。
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率
3M Co.、資本的支出対減価償却費比率(報告対象セグメント別)
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 0.57 | 0.80 | 0.57 | 0.71 | 0.60 |
| 輸送機器・電子機器 | 1.08 | 1.06 | 1.20 | 1.01 | 0.87 |
| 医療 | 0.39 | 0.40 | 0.95 | 1.13 | 0.84 |
| 消費者 | 0.74 | 0.86 | 1.43 | 1.19 | 0.94 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体的な傾向の概要
- 提供された財務比率のデータから、各セグメントにおいて設備投資に対する減価償却率の変動傾向を観察できる。これらの比率は、セグメントごとの資本投資の変化とその償却負担の関係性を示すものである。
- 安全と産業セグメント
- このセグメントの減価償却率に対する設備投資比率は、2017年から2019年にかけて低めのレンジで推移しているが、2020年に大きく増加し、0.8に達した。その後、2021年には再び低下しており、2020年の増加は短期的な投資活動の拡大を反映している可能性がある。全体的には比較的変動が激しい動きとなっている。
- 輸送機器・電子機器セグメント
- このセグメントの比率は、2017年から2019年にかけて増加傾向を示し、2019年には1.2に達している。その後、2020年に若干の縮小を見せるも、2021年には再び1.08と堅調に推移している。これにより、資本投資の拡大が比較的継続しており、設備投資活動が活発であったことが示唆される。
- 医療セグメント
- 医療セグメントの比率は、2017年に比べ2018年に増加し、2019年にかけてやや低下したものの、推移の絶対値は一貫して高めである。特に2020年と2021年にかけて、比率は0.4と0.39にまで低下しており、設備投資に対する減価償却率の負担が軽減された可能性が考えられる。一方で、その低下は投資活動の縮小やコスト管理の改善を示す可能性もある。
- 消費者セグメント
- このセグメントの比率は、2017年から2019年にかけて上昇傾向を示し、2019年には1.43に達した。その後、2020年に0.86に下落し、2021年は0.74とさらに低下している。この動きは、2020年頃に投資レベルが縮小した可能性や、設備償却負担の軽減を目的とした資本構造の見直しを反映していると考えられる。
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率: 安全と産業
3M Co.;安全と産業;減価償却費に対するセグメント資本支出の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 設備投資 | 339) | 451) | 391) | 375) | 255) |
| 減価償却費と償却費 | 593) | 562) | 682) | 528) | 424) |
| 報告対象セグメントの財務比率 | |||||
| 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率1 | 0.57 | 0.80 | 0.57 | 0.71 | 0.60 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率 = 設備投資 ÷ 減価償却費と償却費
= 339 ÷ 593 = 0.57
- 設備投資の動向
- 2017年から2020年までの設備投資は一貫して増加傾向にあり、2018年には375百万米ドルに達した後、2019年に391百万米ドルとやや増加した。しかし、2020年には451百万米ドルにピークを迎え、その後2021年には339百万米ドルに減少した。この動きは、同期間における設備投資の拡大と縮小を示しており、資産の増加と関連している可能性がある。
- 減価償却費の推移
- 減価償却費は2017年の424百万米ドルから2019年の682百万米ドルまで増加しているが、その後2020年は562百万米ドルまで減少し、2021年には593百万米ドルと再び増加傾向を示している。この変動は資産の減価償却期間や資産の償却方法の変更、または資産の取得・売却活動の影響と考えられる。
- 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率（財務比率）
- 資本支出と減価償却率は一定範囲内で変動しており、2017年の0.6から2018年に0.71へ上昇した後、2019年には0.57とやや低下した。2020年には0.8とピークに達し、その後2021年には再び0.57に低下している。これらの変動は、セグメントごとの資本投資活動や償却費の比率に変動をもたらし、資産の減価償却と資本形成のバランスの変動を反映していると解釈できる。
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率: 運輸・電子工学
3M Co.;輸送および電子機器;減価償却費に対するセグメント資本支出の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 設備投資 | 453) | 454) | 390) | 339) | 382) |
| 減価償却費と償却費 | 419) | 429) | 324) | 337) | 437) |
| 報告対象セグメントの財務比率 | |||||
| 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率1 | 1.08 | 1.06 | 1.20 | 1.01 | 0.87 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率 = 設備投資 ÷ 減価償却費と償却費
= 453 ÷ 419 = 1.08
- 設備投資の動向
- 設備投資額は2017年から2021年まで概ね増加傾向にあり、2018年から2019年にかけて一時的に増減が見られるものの、2020年と2021年にはほぼ横ばいまたはやや増加していることから、同期間にわたり積極的な資本支出が維持されていると考えられる。
- 減価償却費の推移
- 減価償却費は2017年から2019年まで徐々に減少し、その後2020年に再び増加、2021年にわずかな増加を示している。これにより、資産の減価償却に関するコストは一定の変動を示しつつも、総じて資産の耐用年数や償却計画に変化があった可能性がある。
- 資本支出と減価償却比率の変化
- 報告対象セグメントの資本支出と減価償却費の比率は、2017年の0.87から2019年の1.2にかけて増加し、その後2020年と2021年にはやや縮小しながらも1.06および1.08を維持している。これは、資本支出に対する減価償却費の割合が2019年にピークに達した後、やや安定化しつつも資産の償却負担が相対的に重要になっていることを示している。
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率：医療
3M Co.;医療;減価償却費に対するセグメント資本支出の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 設備投資 | 249) | 251) | 264) | 245) | 217) |
| 減価償却費と償却費 | 636) | 626) | 277) | 216) | 257) |
| 報告対象セグメントの財務比率 | |||||
| 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率1 | 0.39 | 0.40 | 0.95 | 1.13 | 0.84 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率 = 設備投資 ÷ 減価償却費と償却費
= 249 ÷ 636 = 0.39
- 設備投資の推移
- 2017年から2019年にかけて、設備投資は緩やかな増加傾向を示し、264百万米ドルまで達した。その後、2020年と2021年には若干の減少傾向にあり、それぞれ251百万米ドル、249百万米ドルとなった。この動きから、設備投資は概ね安定した範囲内で推移していることが伺える。
- 減価償却費と償却費の変動
- この期間中、減価償却費と償却費は一時的に低下した2018年に216百万米ドルを記録したが、その後再び増加に転じ、2020年には626百万米ドルとピークに達した。2021年には636百万米ドルと更に高い水準を維持しており、資産の減価償却に関する費用は全体として増加傾向にあると考えられる。
- 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率
- 資本支出と減価償却率は、2017年の0.84から2018年の1.13へと大きく上昇し、その後2019年には0.95まで下がった。その後は2020年と2021年にかけて、いずれも約0.4前後に低下しており、特に2020年の0.4、2021年の0.39といった値は、比較的控えめな資本支出と減価償却活動の抑制を示唆している。これらの変動は、企業の投資活動や資産の管理戦略の調整によるものと解釈できる。
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率：消費者
3M Co.;消費者;減価償却費に対するセグメント資本支出の計算
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | |||||
| 設備投資 | 109) | 120) | 130) | 115) | 110) |
| 減価償却費と償却費 | 147) | 140) | 91) | 97) | 117) |
| 報告対象セグメントの財務比率 | |||||
| 報告対象セグメントの資本支出と減価償却率1 | 0.74 | 0.86 | 1.43 | 1.19 | 0.94 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
1 2021 計算
報告対象セグメントの資本支出と減価償却率 = 設備投資 ÷ 減価償却費と償却費
= 109 ÷ 147 = 0.74
- 設備投資の動向
- 2017年から2019年にかけて、設備投資は増加傾向にあり、2019年には130百万米ドルに達した。その後、2020年に若干減少し、2021年には109百万米ドルへと減少した。これにより、設備投資は一時的にピークを迎えた後、その後の年には縮小傾向を示していることが観察される。
- 減価償却費の推移
- 減価償却費は、2017年には117百万米ドルであったが、2018年に97百万米ドルに減少した。その後、2019年には91百万米ドルとさらに低下したが、2020年に140百万米ドルと大きく増加し、2021年も147百万米ドルと高水準を維持している。これにより、減価償却費は2019年までの減少から、COVID-19パンデミックの影響も考慮しつつ、2020年以降は著しく増加していることが示唆される。
- 資本支出と減価償却率の関係性
- 資本支出と減価償却率を示す財務比率は、2017年には0.94であったが、2018年には1.19に上昇した。2019年には1.43とピークに達し、その後2020年には0.86に低下し、2021年には0.74へとさらに下落している。この傾向は、資本支出に対して減価償却費がどの程度行われているかを示すものであり、2019年には資本支出の増加に伴い、減価償却費も相対的に増加しているが、2020年以降は資本支出の比率が低下し、減価償却費の割合も減少傾向にあることを示している。
売り上げ 高
3M Co.、報告セグメント別売上高
百万米ドル
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 12,880) | 11,767) | 11,607) | 12,494) | 11,946) |
| 輸送機器・電子機器 | 9,769) | 8,827) | 9,602) | 10,106) | 9,861) |
| 医療 | 9,050) | 8,345) | 7,431) | 6,826) | 6,635) |
| 消費者 | 5,856) | 5,336) | 5,089) | 5,086) | 5,006) |
| コーポレートおよび未割り当て | 2) | (1) | 110) | 50) | 2) |
| デュアルクレジットの排除 | (2,202) | (2,090) | (1,703) | (1,797) | (1,793) |
| 会社全体 | 35,355) | 32,184) | 32,136) | 32,765) | 31,657) |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体の売上高の動向
- 2017年から2021年にかけて、会社全体の売上高は一貫して増加傾向にある。特に2021年には前年と比較して約3,171百万米ドルの増加が見られ、総売上高は35,355百万米ドルに達している。これは、主要事業分野における売上の拡大が寄与していると考えられる。
- 各事業セグメントのパフォーマンス
- 安全と産業の売上高は、2017年の11,946百万米ドルから2021年の12,880百万米ドルへと増加している。特に2021年においては大きな伸びを示している。輸送機器・電子機器分野は、2018年に最高の10,106百万米ドルを記録したものの、その後は緩やかな減少傾向を示し、2020年に8,827百万米ドルへと落ち込んだ。その後、2021年に再び回復し、9,769百万米ドルに達している。医療分野は着実に売上を伸ばし、2021年には9,050百万米ドルに達し、成長が安定している。消費者分野も同様に順調に推移し、2021年には5,856百万米ドルとなっている。
- コーポレートおよび未割り当て、およびデュアルクレジットの排除
- コーポレートおよび未割り当ての売上高は一時的に増加したが、2020年にはマイナスの値を示していることから、一部の調整や特殊要因による変動があったと考えられる。デュアルクレジットの排除に伴う売上高は継続的に減少しており、2017年から2021年までに約4,297百万米ドルの減少を記録している。これは、排除により売上認識の調整が行われた結果と推測される。
- 総括
- 全体として、同社は主要事業分野において収益を拡大させ、売上高は順調に増加している。特に医療と安全・産業の分野での成長が顕著であり、輸送・電子機器分野は一時的な落ち込みを経験したものの、回復傾向を示している。売上高の変動には、内部調整や特殊要因が影響している可能性があるが、長期的には安定した成長基調が続いていることを示唆している。
事業セグメントの営業利益
3M Co.、事業セグメント別営業利益
百万米ドル
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 2,692) | 3,054) | 2,648) | 3,423) | 2,603) |
| 輸送機器・電子機器 | 2,008) | 1,927) | 2,221) | 2,649) | 2,986) |
| 医療 | 2,150) | 1,828) | 1,863) | 1,921) | 1,877) |
| 消費者 | 1,248) | 1,249) | 1,105) | 1,071) | 1,051) |
| デュアルクレジットの排除 | (553) | (534) | (420) | (448) | (458) |
| 会社全体 | 7,545) | 7,524) | 7,417) | 8,616) | 8,059) |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 販売・事業セグメント別の営業利益動向
-
安全と産業セグメントは、2017年から2021年にかけて全体的に高い利益水準を維持しているものの、2018年に一時的に増加した後、2019年に減少し、その後再び増加傾向を示している。特に2020年にはやや堅調な回復を見せたが、2021年には若干の減少が見られる。
輸送機器・電子機器セグメントは、2017年から2019年にかけて減少し、その後2020年に底を打ち、2021年には1,977百万ドルまで回復している。この動きは、同セグメントの利益が一時的に圧迫されたものの、2020年に改善の兆しを見せたことを示唆している。
医療セグメントは、比較的安定した推移を示しており、2017年から2018年にはわずかに増加し、2019年には横ばいとなった後、2021年にかけて再び増勢が見られる。2021年には2,150百万ドルと過去最高に近い利益を獲得している。
消費者セグメントは一定の成長を続けており、2017年から2021年にかけて利益が増加傾向にある。特に2020年から2021年にかけてわずかに増加しており、市場の安定とともに徐々に利益が積み重なっていることが示唆される。
デュアルクレジットの排除に関するセグメントは、2017年から2021年まで一貫してマイナスの営業利益を示し続けており、2020年・2021年には更なる悪化が見られる。これは当該部分のビジネスが継続的に収益性の低下に直面していることを反映している。
- 会社全体の営業利益の推移
-
全体の営業利益は、2017年に8,059百万ドルでピークを記録した後、2018年に8,616百万ドルに増加し、その後2019年には7,417百万ドルまで減少している。2020年と2021年はほぼ横ばいで推移し、7,524百万ドルから7,545百万ドルの範囲内に収まっていることから、全体として一定の収益性を保っていると考えられる。
この動きは、一部セグメントの利益減少を他のセグメントの堅調なパフォーマンスやコスト管理により補っていることを示唆している。特に2018年の増加は、セグメント別の利益変動のバランスによるものと推測される。
財産
3M Co.、報告対象セグメント別資産
百万米ドル
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 11,744) | 11,711) | 12,593) | 13,086) | 13,560) |
| 輸送機器・電子機器 | 6,999) | 6,997) | 7,611) | 7,773) | 7,786) |
| 医療 | 14,055) | 14,531) | 15,210) | 7,092) | 7,258) |
| 消費者 | 2,783) | 2,567) | 2,792) | 2,963) | 2,909) |
| コーポレートおよび未割り当て | 11,491) | 11,538) | 6,453) | 5,586) | 6,474) |
| 会社全体 | 47,072) | 47,344) | 44,659) | 36,500) | 37,987) |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 資産の総額推移について
- 2017年から2021年にかけて、会社全体の総資産は一時的に減少した後、2020年と2021年にかけて再び増加傾向を示している。特に、2020年には資産総額が47,344百万米ドルに達し、過去最高値を記録している。この増加は、特定の資産区分で大きな変動を伴っていることによると考えられる。
- 主要資産の変動について
- 医療資産に関しては、2019年に急激に増加し、15,210百万米ドルへと大きく跳ね上がっている。この増加は、2020年と2021年にわたりやや減少したものの、依然として高水準を維持している。一方、安全と産業、輸送機器・電子機器の資産は、比較的安定しているものの、2017年から2020年にかけて徐々に減少傾向を示している。コーポレートおよび未割り当て資産も、2017年から2019年にかけて減少した後、2020年に大きく増加し、資産総額の増加に寄与している。
- 資産の構成比の変化
- 医療資産の比率が、2019年以前の傾向に比べて大きく高まっており、会社の戦略的な投資や重点分野の変化を示唆している。一方、その他の資産区分は比較的安定しているが、コーポレートおよび未割り当て資産の増加は、経営陣の資本政策や資産配分の見直しによる可能性がある。総じて、資産構成の変動は特定の事業または投資戦略の変化に起因すると考えられる。"
減価償却費と償却費
3M Co.、減価償却費および償却費(報告対象セグメント別)
百万米ドル
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 593) | 562) | 682) | 528) | 424) |
| 輸送機器・電子機器 | 419) | 429) | 324) | 337) | 437) |
| 医療 | 636) | 626) | 277) | 216) | 257) |
| 消費者 | 147) | 140) | 91) | 97) | 117) |
| コーポレートおよび未割り当て | 120) | 154) | 219) | 310) | 309) |
| 会社全体 | 1,915) | 1,911) | 1,593) | 1,488) | 1,544) |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 全体的な傾向
- 3M社の減価償却費と償却費は、2017年から2021年にかけて総じて増加傾向を示している。特に、2020年以降の増加が顕著であり、年を追うごとに増加幅が大きくなっている点が特徴的である。これは、資産の取得や設備投資の増加または資産価値の減少に伴う償却費の増加を示唆している可能性がある。
- 各事業部門別の動向
- 安全と産業部門では、減価償却費が2017年の約424百万米ドルから2021年には593百万米ドルと、増加の傾向が見られる。ただし、2018年から2019年にかけてはやや平準化し、その後再び増加している。輸送機器・電子機器部門では、2017年に437百万米ドルであったが、その後2019年にはわずか324百万米ドルに減少し、その後2020年と2021年にかけて増加、最終的に419百万米ドルとなった。これにより、短期的な変動を伴いながらも、長期的には横ばいまたは緩やかな増加と解釈できる。
- 医療部門では、減価償却費は一貫して増加しており、2017年の約257百万米ドルから2021年には636百万米ドルに達している。特に、2020年から2021年にかけての増加は大きく、2019年の277百万米ドルから2020年の626百万米ドルへと著しい増加が見られる。この動きは、医療関連資産の拡大や新規設備投資による減価償却費の増加を反映している可能性がある。
- 消費者部門は、比較的小規模でありながらも一定の増加を示している。2017年の97百万米ドルから2021年には147百万米ドルへと増加している。特に、2020年以降の増加は顕著であり、消費者関連資産の償却費の拡大が進行していることを示している。
- コーポレートおよび未割り当て部分では、大きな変動が見られる。2017年の309百万米ドルから2019年には219百万米ドルに減少し、その後2020年と2021年にはそれぞれ154百万米ドル、120百万米ドルと低下傾向が続いている。この部門は、コーポレート資産の償却費において短期的な変動が大きいことを示している。
- 総合所感
- 全体として、各部門の減価償却費は2020年以降に顕著に増加し、資産の積み増しや資産価値の見直しに伴う償却が進行していることが示唆される。この増加傾向は、会社の設備投資や資産管理の方針の変化と関連している可能性がある。それに伴う収益やキャッシュフローへの影響については、他の財務指標の分析も併せて行う必要がある。今後も各事業部門の資産の動向を注視し、減価償却費の増加が企業全体の財務状況に与える影響を継続的に評価していくことが求められる。
設備投資
3M Co.、設備投資額:報告対象セグメント別
百万米ドル
| 2021/12/31 | 2020/12/31 | 2019/12/31 | 2018/12/31 | 2017/12/31 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全と産業 | 339) | 451) | 391) | 375) | 255) |
| 輸送機器・電子機器 | 453) | 454) | 390) | 339) | 382) |
| 医療 | 249) | 251) | 264) | 245) | 217) |
| 消費者 | 109) | 120) | 130) | 115) | 110) |
| コーポレートおよび未割り当て | 453) | 225) | 524) | 503) | 409) |
| 会社全体 | 1,603) | 1,501) | 1,699) | 1,577) | 1,373) |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 設備投資の全体動向について
- 2017年から2021年にかけて、全体の設備投資額は増加傾向にあることが示されている。2017年の1,373百万米ドルから2021年の1,603百万米ドルにかけて、おおむね緩やかに増加しており、投資活動の拡大が伺える。ただし、2020年には一時的に1,501百万米ドルに減少している点は、新型コロナウイルス感染症の影響や経済環境の変動が影響した可能性がある。
- 各事業分野別の投資傾向
- 安全と産業設備投資は、2017年の255百万米ドルから2020年に451百万米ドルと増加した後、2021年に339百万米ドルに減少している。輸送機器・電子機器分野は、2017年の382百万米ドルから2021年の453百万米ドルまで概ね安定した増加を示しており、特に2018年から2020年にかけての変動が少ない。医療設備投資は比較的小規模で推移しており、2017年の217百万米ドルから2021年の249百万米ドルにかけて微増している。また、消費者分野では、2019年に130百万米ドルまで増加した後、2020年と2021年において約109～120百万米ドルの範囲で推移しており、安定した投資水準を維持している。コーポレートおよび未割り当ては、2017年の409百万米ドルから2019年に524百万米ドルとピークを迎えた後、2020年に225百万米ドルに大きく減少、その後2021年には再び453百万米ドルへと増加している。これらの変動は、投資戦略の見直しや資本配分の調整によるものと推測される。
- 総合的な分析と今後の展望
- 2021年までのデータは、同社が総じてインベストメント活動を拡大させる傾向にあることを示し、事業の成長や新規投資への積極的な取り組みを反映していると考えられる。一方で、2020年に見られた一時的な投資の縮小や、コーポレート・未割り当て投資の変動は、経済環境や企業戦略の変化に起因する可能性が高い。今後も引き続き各事業分野の投資動向を継続的にモニタリングし、成長の持続性や投資効率の最適化に意識を向ける必要がある。