貸借対照表の構造:負債と株主資本
有料ユーザー向けエリア
無料で試す
今週はAir Products & Chemicals Inc.ページが無料で利用できます。
データは背後に隠されています: .
これは 1 回限りの支払いです。自動更新はありません。
私たちは受け入れます:
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2020-09-30), 10-K (報告日: 2019-09-30), 10-K (報告日: 2018-09-30), 10-K (報告日: 2017-09-30), 10-K (報告日: 2016-09-30), 10-K (報告日: 2015-09-30).
- 負債および資本構成の変化と傾向
- 全期間を通じて、総負債の占める割合は50%前後で推移し、特に2015年には57.67%、2020年には50.56%と、やや変動が見られる。しかし、負債の内訳では短期借入金が2015年の8.57%から2020年にはわずか0.03%に減少しており、流動負債は2015年の20.92%から2020年の9.6%へと大幅に縮小している。一方、長期借入金の占める割合は低下傾向にあり、2015年の22.65%から2020年には28.34%に上昇している。これにより、短期借入金の縮小と長期借入金の増加が見られる。負債の資本に対する比率も増加しており、資本の相対的な比重が高まっている。特に、資本の構成要素では、「剰余金」が非常に高い割合を占めており、2015年の60.67%から2019年には74.64%まで上昇し、資本の蓄積が進んでいることが示唆される。なお、その他包括損失累計額はマイナスの値を示し続けているが、2020年には-8.5%と若干減少している。
- 流動性と資金調達の状況
- 流動負債は2015年の20.92%から2020年には9.6%へと縮小しており、財務の流動性は改善が見られる。特に、短期借入金が顕著に減少している点は、短期資金調達の依存度を減少させ、資金繰りの安定化を図っていると推察される。一方、買掛金および未払負債も負債総額に占める割合が減少しており、支払債務の見直しが進んだ可能性がある。このような負債比率の低下は、財務の健全性の改善につながると考えられる。長期借入金比率が増加していることは、資金調達や投資活動の長期化を意識した財務戦略の一環とも解釈できる。
- 負債の構成とリスク要因
- 各種負債の動向を見ると、デリバティブや契約負債などの特殊項目は比較的一定の割合で推移しており、リスク管理の一環としてこれらの項目に注力していると推察される。特に、資産除去義務や環境責任といった環境関連負債の比率は全期間を通じて低めであるが、一定のリスク管理体制が維持されていることが示唆される。一方、支払われる配当金の割合は安定しており、投資家への利益還元姿勢が継続されていると考えられる。オペレーティング・リース負債や長期持分関連会社への拠出義務なども時期により変動があるものの、負債全体の相対比は概ね安定傾向にある。
- 株主資本の状況と企業の自己資本比率
- 株主資本の占める割合は2015年の41.57%から2017年に54.62%、その後60%を超え2019年には58.35%に上昇し、2020年には48%にやや低下しているが、総じて高い水準を維持している。特に、剰余金の割合増加は、内部留保の強化と企業の自己資本比率の向上を反映しているとみられる。自己資本の増加による財務の安定化が図られており、市場や投資家からの信用力強化に寄与していると解釈できる。