貸借対照表:負債と株主資本
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2018-10-31), 10-K (報告日: 2017-10-31), 10-K (報告日: 2016-10-31), 10-K (報告日: 2015-10-31), 10-K (報告日: 2014-10-31), 10-K (報告日: 2013-10-31).
- 総負債の推移
- 2013年から2015年までは総負債額が比較的安定して推移しているものの、2016年に大幅な減少を見せ、その後は徐々に回復基調にあることが示されている。特に2016年以降、長期借入金やその他の負債の減少が顕著であり、財務構造の改善に寄与したと考えられる。
- 流動負債と非流動負債の変化
- 流動負債は2013年から2018年にかけて増加傾向にあり、2016年には一時的に大きく減少した後、再び増加している。一方、非流動負債も同様に減少傾向が見られ、特に2016年以降の縮小が見て取れる。これにより、長期負債の整理と資本負担の軽減が進んだ可能性がある。
- 自己資本と利益剰余金の状況
- 2013年から2015年までの利益剰余金は増加傾向にあり、総自己資本も堅実に成長していたが、2016年以降には大きなマイナス転落を示し、2017年と2018年には累積の赤字となっている。これにより、過去の累積損失が財務状況に悪影響を及ぼしていることがわかる。特に2016年以降の赤字額の拡大は、業績悪化または資本の流出によるものと推察される。
- 資本構造の変化
- 追加資本金は2013年から2015年にかけて激減した後、2016年には回復傾向にある。これは株式の発行や増資活動の変化を反映している可能性が高い。一方、利益剰余金のマイナス化は、資本の喪失を示し、財務の健全性に対して一定のリスクを伴っていることを示唆している。
- 支払手形および短期借入金の動き
- 短期借入金は2013年から2018年にかけて大きく削減されており、特に2016年には大幅に減少している。これにより、流動性の向上と財務負担の軽減が進んだと考えられるが、その後若干の増加も見られるため、短期資金調達の側面には変動が見られる。
- 継続して示される傾向
- 全体として、初期の安定期から2016年にかけて財務負担と負債の縮小を示し、その後は負債の増加とともに自己資本の悪化が観察される。特に、2016年以降の赤字と負債の多寡は、財務の持続可能性に関する懸念材料となり得る。今後の財務戦略においては、これらの負の側面の改善と利益の回復が重要となる見込みである。