貸借対照表の構造:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2018-10-31), 10-K (報告日: 2017-10-31), 10-K (報告日: 2016-10-31), 10-K (報告日: 2015-10-31), 10-K (報告日: 2014-10-31), 10-K (報告日: 2013-10-31).
- 全体的な傾向
- 2013年から2018年にかけて、総負債に占める流動負債の割合は大幅に増加し、63.08ポイント上昇し、2018年には72.59%に達している。一方、非流動負債の割合は減少し、特に長期借入金の比率はピークの23.3%から13.07%へと縮小している。これにより、負債構造の流動性が高まったことが示唆される。
- 短期負債の増加と長期負債の減少
- 支払手形および短期借入金の割合は2013年の5.66%から2018年の4.23%へと低下傾向にあるが、2016年や2017年に一時的に上昇している。一方、長期借入金の割合は2013年の15.72%から2018年の13.07%へと減少しており、全体として負債の短期化が進行していることがわかる。
- 純資産の動向
- 自己資本合計は、2013年の26.17%から2015年には26.34%まで増加した後、2016年以降は大幅に悪化し、2018年にはマイナスの1.85%へと転じている。これは利益剰余金の大きな減少と包括損失の累積増加に起因しており、財務基盤の弱体化が顕著になったことを示している。
- 利益剰余金と包括利益の変動
- 利益剰余金は、2013年から2015年まで堅調に増加したが、2016年以降は大きく減少し、2018年には赤字に転じている。これに伴い、その他包括損失累計額も増加しており、総合的な収益性の低下が観察される。
- 負債の内訳におけるその他項目の動き
- 支払手形・短期借入金、買掛金、その他の短期負債は、2013年から2018年にかけて大きな変動を見せている。特に買掛金は2016年以降に顕著に増加し、負債比率の上昇に寄与している。一方、保証や未払税金、その他の未払負債も比較的高い比率を維持し、負債構造の複雑さが継続している。
- 全体評価
- 財務データからは、負債構造の流動化とともに純資産の悪化が明らかとなった。自己資本の著しい縮小と利益剰余金の赤字化は、財務体質の悪化を示す一方、負債の短期化はキャッシュフローや運転資本管理に影響を及ぼす可能性がある。これらの動きは、改善のための早期財務戦略の必要性を示唆している。