損益計算書
損益計算書は、一定期間にわたる企業の事業活動の財務結果に関する情報を示しています。損益計算書は、会社が期間中にどれだけの収益を生み出したか、そしてその収益を生み出すことに関連してどのような費用がかかったかを伝えます。
Johnson Controls International plc、連結損益計算書
百万米ドル
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-09-30), 10-K (報告日: 2022-09-30), 10-K (報告日: 2021-09-30), 10-K (報告日: 2020-09-30), 10-K (報告日: 2019-09-30), 10-K (報告日: 2018-09-30).
- 売上高の傾向
- 2018年から2023年にかけて、売上高は全体的に増加傾向を示している。特に2023年には、売上高が約26,793百万米ドルに達している。売り上げ高の増加は、製品とシステム、およびサービスの両部門の拡大に支えられており、これらの部門がともに増収していることが確認できる。
- 売上原価の動向
- 売上原価は2018年の22,020百万米ドルから2023年の17,822百万米ドルまで緩やかに増加している。ただし、売上高の増加に比べて売上原価の増加は比較的小さく、これにより売上総利益率は一定もしくは改善傾向にあると推測される。粗利益は、2023年には8,971百万米ドルに達し、増加基調にある。
- 利益率と営業利益の動向
- 営業利益は、2018年の3,107百万米ドルから2023年には1,726百万米ドルに増加しており、売上高の増加に伴って堅調に推移している。ただし、過去数年の間に一時的なピークや減少も見られ、2021年の営業利益は2,559百万米ドルに回復している。総じて、営業利益は安定した成長傾向を示す。
- 財務コストと純利益の分析
- 支払利息は一定範囲内で推移し、2023年には307百万米ドルとなっている。一方、純融資費用は全体としてマイナス傾向を示し、2023年には-281百万米ドルとなった。株式利益は比較的安定しており、2023年には265百万米ドルを記録している。受取利息や為替差益も概ね安定的であることから、財務面の収益性には一定の安定性が見られる。総じて、当期純利益は2018年の2,162百万米ドルから2023年の1,849百万米ドルに若干の減少が見られるものの、2021年には一度回復している。特に、2022年には持続的な利益増加が確認され、2023年の利益も高水準を維持している。
- 税金と非継続事業の影響
- 税引前利益に対する所得税費用は変動しており、2022年に大きく減少した後、2023年には増加している。非継続事業からの利益（税引後）は2020年にピークを迎え、その後の年度では記録されていないが、2022年の利益寄与は少なからず影響している可能性がある。これらの変動は、企業の投資や事業再編の状況に関係していると考えられる。
- 総合的な評価
- 全体として、2018年から2023年にかけて売上高が増加し、利益水準も比較的堅実に保たれていることから、企業は堅調に事業を拡大させていることがうかがえる。特に、事業の収益性は一定の改善を示しつつも、純利益の変動は注意が必要である。財務コストや税負担の変動にも注視しながら、今後も堅実な成長を維持することが求められよう。