貸借対照表の構造:負債と株主資本
Marathon Oil Corp.、連結貸借対照表の構成:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2017-12-31).
- 負債構成の変化
- 全期間を通じて、流動負債の割合は比較的安定しており、2017年から2019年まで約8.6%から8.9%の範囲で推移している。一方、長期借入金の割合は徐々に増加し、2017年の約25%から2020年には30.1%に達し、その後減少している。資産除去義務に関しては、2017年の約6.5%から2019年には1.2%へ大きく減少し、2020年以降再び増加傾向を示している。これらの変動は負債の長期化や資産除去義務の管理方針の変化を反映していると考えられる。
- 短期負債の推移と流動性リスク
- 流動負債の割合は2017年の約8.94%から2021年には約9.63%に増加していることから、短期負債の増加や流動性リスクの高まりが示唆される。また、未収税やその他の流動負債も全年にわたり高水準で推移しており、支払準備やキャッシュフロー上の注意が必要と考えられる。
- 株主資本と資本構成
- 株主資本の割合は全期間中に安定的に上昇しており、2017年の約53.19%から2021年には62.88%に達している。これは会社の財務安定性の向上を示しており、追加資本金や剰余金の積み増しにより自己資本の比率が増加している。一方、国庫に保有されている株式の割合は継続的に減少しているが、自己株式の占める割合は全体的に拡大している可能性がある。これらは株主資本の増強とともに、株主価値の向上を図る一環と見られる。
- 資本剰余金とその他の包括利益
- 剰余金および追加資本金の割合はいずれも増加傾向にあり、特に剰余金は42.79%まで増加している。これは過去の利益積み増しや新規資本調達による結果と考えられる。その他の包括利益累計額は比較的小幅な変動を示しているが、総じてプラス圏を維持し、企業の利益水準や財務状況の改善に寄与していると推測される。
- 総合的な財務状況の傾向
- 負債と株主資本の比率は2017年の46.81%から2019年には約39.97%まで低下し、その後2030年には41.18%、2021年には37.12%と推移している。これにより、全体として負債比率はやや低下し、自己資本比率は相対的に改善していることが窺える。特に自己資本の増加は、財務の安定性と長期的な資本構造の健全化を示唆している。