貸借対照表:負債と株主資本
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2025-07-31), 10-K (報告日: 2024-07-31), 10-K (報告日: 2023-07-31), 10-K (報告日: 2022-07-31), 10-K (報告日: 2021-07-31), 10-K (報告日: 2020-07-31).
- 負債の推移
- 2020年から2025年までの期間において、総負債は着実に増加していることが観察される。特に、長期負債と流動負債の両方で増加傾向が顕著であり、2024年と2025年にはそれぞれ約1.5倍から1.6倍に上昇している。これに伴い、総負債比率の増加は、負債構造の変化や資金調達需要の拡大を示唆している。
- 株主資本の動向
- 株主資本は、2020年の1,101百万円から2025年には7,824百万円へと増加しており、資本の拡大が明らかになっている。特に、利益剰余金の大幅な増加(負の値から正の値へと転じている点)が、収益性の改善や内部留保の蓄積を反映している。また、株式の発行や追加払込資本の増加も全体の資本増加に寄与している。
- 利益剰余金と包括利益の変動
- 利益剰余金は大きく改善しており、2020年のマイナスから2024年には正の値を示し、その後も増加傾向にある。これにより、累積損失の解消とともに、株主に帰属する純資産の増加が示されている。また、その他の包括利益累計額は、2021年の大きなマイナスから2025年には正の値へと転じ、全体としての財務の安定化を示唆している。
- 負債の種類別動向
- 流動負債が全期間で増加し続けている一方で、長期負債も増加基調にある。特に、長期の転換社債や長期負債の増額は、資金調達の長期化と資本構成の変化を反映している。繰延収益や長期繰延収益の増加も見られ、先行投資や将来の収益見込みを背景とした資金調整が行われていることが推察される。
- 全体的な資本構成と財務安定性
- 総資産・総負債・株主資本の推移を見ると、総資産は年々増加しており、資産規模の拡大とともに財務基盤が強化されていることが示される。特に、株主資本の増加が資本の充実を示し、負債依存度の適度な維持により、バランスの取れた財務構造と評価できる。一方で、負債の増加に伴うリスク管理も重要になる。