Express Scripts Holding Co. (NASDAQ:ESRX)

収益の傾向

データ期間を通じて収益は増加傾向を示し、2005年から2009年までは緩やかな拡大が続く。2010年には前年対比で急速な成長を記録し、その後も2012年までに再び大幅な伸びを見せた。2013年には水準が高水準へ到達するが、その後は2014年以降にかけて横ばいまたは僅かな減少が続き、2017年時点では2012年のピーク時に比べ若干低下している。主要な数値としては、2005年の16,266,000千米ドルから、2010年には44,973,200千米ドル、2012年には93,858,100千米ドル、2017年には100,064,600千米ドルへと推移している。

営業利益の傾向

営業利益は2005年から2017年にかけて一貫して増加している。初年度は643,000千米ドル、最終年度は5,494,000千米ドルへ拡大しており、期間を通じて成長が継続している。成長のペースは年次で変動するものの、特に2010年以降の伸びが顕著であり、売上規模の拡大に伴って利益水準も着実に高まっている。収益に対する利益率の観点では、2005年時点のおおむね3.9%前後から、2017年時点では約5.5%程度へ改善していると読み取れる。

当期純利益の傾向

当期純利益は2005年から2009年にかけて着実に増加し、2010年には1,181,200千米ドルへ急拡大した。以降は2012年頃まで概ね安定成長を続け、2013年には1,844,600千米ドルへ大きく跳ね上がる。2014年以降も成長を維持し、2016年には3,404,400千米ドル、2017年には4,517,400千米ドルへと著しく増加している。主要な年次成長率としては、2010年は約42.9%、2013年は約40.5%、2016年は約37.5%、2017年は約32.8%の高さを示しており、収益の動向が鈍化する局面でも利益は高い成長を維持していることが読み取れる。

流動資産

2005/12/31から2017/12/31にかけて、流動資産は約2,257,000千米ドルから11,957,100千米ドルへと上昇した。ただし年次ごとには大きな変動が伴い、下落と急騰を繰り返している。2005年から2009年は2,257,000千米ドル→4,143,500千米ドルへ増加、2010年には2,941,300千米ドルへ減少、2011年には8,058,000千米ドルへ急増、2012年には10,756,900千米ドルへ拡大した。2013年には8,491,400千米ドルへ再度減少したが、2014年以降は10,568,100千米ドル→12,059,500千米ドル→12,363,400千米ドルと再び上昇を維持し、2017年には11,957,100千米ドルとなった。総資産に対する比率で見ると、2011年には流動資産が総資産の約51.7%を占める局面がある一方、2012年には約18.5%へ低下している。その後は約15%〜24%の範囲で推移しており、総資産の大幅拡大後には流動資産の比率が低めに留まる傾向が見られる。

総資産

総資産は2005年5,493,000千米ドルと安定的な水準で推移していたが、2009年には11,931,200千米ドルへ急増し、2010年には10,557,800千米ドルへ減少した。その後、2011年に15,607,000千米ドルへ回復し、2012年には58,111,200千米ドルへ劇的に拡大した。以降は2013年53,548,200千米ドル、2014年53,798,900千米ドル、2015年53,243,300千米ドル、2016年51,744,900千米ドル、2017年54,255,800千米ドルと、50,000,000千米ドル台のレンジで安定化して推移している。2009年と2011-2012年の大幅増加は、規模の拡大を示唆する一方、それを境に比較的安定した資産基盤へと移行したと判断できる。

構成データは2005/12/31から2017/12/31までの財務項目別年次推移を示している。ラベルの一部が同一表記（総負債）で重複しているが、データ列の推移から、流動負債、ひとつの総負債系（長期負債相当または総負債の一部として解釈されうるデータ）、もうひとつの総負債系、及び株主資本（自己資本）を含む構成と解釈して要約する。以下は各項目の年次推移と読み取れる傾向である。

流動負債

単位: 千米ドル; 2005/12/31: 2,394,000; 2006/12/31: 2,429,400; 2007/12/31: 2,475,000; 2008/12/31: 2,721,700; 2009/12/31: 5,456,800; 2010/12/31: 3,917,200; 2011/12/31: 5,458,100; 2012/12/31: 13,057,400; 2013/12/31: 13,235,300; 2014/12/31: 17,016,900; 2015/12/31: 17,155,300; 2016/12/31: 16,428,100; 2017/12/31: 17,846,400.

総負債A

単位: 千米ドル; 2005/12/31: 4,028,000; 2006/12/31: 3,983,200; 2007/12/31: 4,560,000; 2008/12/31: 4,431,000; 2009/12/31: 8,379,400; 2010/12/31: 6,951,200; 2011/12/31: 13,131,700; 2012/12/31: 34,715,500; 2013/12/31: 31,703,400; 2014/12/31: 33,734,900; 2015/12/31: 35,862,800; 2016/12/31: 35,501,100; 2017/12/31: 36,130,500.

総負債B

単位: 千米ドル; 2005/12/31: 1,511,000; 2006/12/31: 1,450,500; 2007/12/31: 2,020,400; 2008/12/31: 1,760,300; 2009/12/31: 3,832,600; 2010/12/31: 2,493,800; 2011/12/31: 8,076,300; 2012/12/31: 15,915,000; 2013/12/31: 13,947,000; 2014/12/31: 13,568,000; 2015/12/31: 15,592,700; 2016/12/31: 15,568,300; 2017/12/31: 16,014,400.

総株主資本

単位: 千米ドル; 2005/12/31: 1,465,000; 2006/12/31: 1,124,900; 2007/12/31: 696,400; 2008/12/31: 1,078,200; 2009/12/31: 3,551,800; 2010/12/31: 3,606,600; 2011/12/31: 2,473,700; 2012/12/31: 23,385,000; 2013/12/31: 21,837,400; 2014/12/31: 20,054,200; 2015/12/31: 17,372,800; 2016/12/31: 16,236,000; 2017/12/31: 18,119,600.

データの前提

本データは年次のキャッシュフロー3項目を、2005/12/31 から 2017/12/31 までの期間で示しており、単位は千米ドルである。空白値は欠損を意味し、表計算上の解釈は各年の該当項目の数値を合算した総キャッシュフローに影響する。

総括的なキャッシュフロー動向の要点

営業活動によるネットキャッシュフローは長期的一貫してプラスで推移し、年を追うごとに規模が拡大する傾向が顕著である。特に2012年以降は水準が高止まりし、2017年には最も高い値を記録する。一方、投資活動による(使用された)ネットキャッシュは年次で大きく変動し、2009年と2012年に顕著な出費を生み出している。財務活動による(使用された)ネットキャッシュは正負が大きく揺れ、2009年には資金調達による大きなプラス、2010年には大幅なマイナスが生じて以降も大きな変動が続く。これらの動きは、営業の資金創出力が高水準で維持される一方、投資と資本構成の変更が年度間で大きく異なることを示している。

投資活動の傾向と示唆

投資活動によるキャッシュアウトは総じてマイナスとなり、年によって大きく揺れる。初期には比較的小さな出費で推移していたが、2009年には約4,822,400千米ドル、2012年には約10,429,100千米ドルという大きな支出が生じており、資産取得や事業投資の拡大が強く意識されていることが読み取れる。その後は2013年以降、出費の水準は再び落ち着く傾向を示すものの、2017年には再度大きなマイナスを計上しており、投資の規模とタイミングが財務の自由度に大きく影響していることが分かる。

財務活動の傾向と示唆

財務活動によるキャッシュフローは年次で正負が大きく変動する。2009年には約3,587,000千米ドルの大規模なプラスが確認され、資金調達の局面が強まった。一方、2010年には約2,523,000千米ドルのマイナスとなり、資本構成の見直しや資金の返済が進んだ可能性がある。2011年および2012年には再びプラスに転じるが、2013年以降は大幅なマイナスが継続しており、2017年もマイナスが続く。これらは新規資金の取得と既存負債の返済・資本還元のタイミングの変化を反映しており、資本構成や資金政策の大きな変動要因となっていると読み取れる。

総合的な資金ポジションの読み取り

3項目の年次データを合算した場合、2005年や2009年には正味のキャッシュフローがプラスとなる年もある一方、2011年以降の一部の年には非常に大きな正味キャッシュフローが生まれる年がある反面、2012年、2013年、2014年、2016年、2017年には大きくマイナスとなる年も生じている。営業活動のキャッシュ創出力が高水準を維持する一方、投資と財務の動きが年度間で相殺効果を大きく変動させており、資金の自由度は年次で大きく異なる。長期的には、安定した営業キャッシュフローを基盤としつつ、投資と財務の戦略的選択が総合的な資金ポジションを左右しているものと解釈できる。

要約の概要

該当期間の1株当たり基本利益は0.68米ドルから7.79米ドルへと着実に上昇し、全体として大きく成長している。期間中には2012年に約1.80米ドルへ低下する局面があるものの、その後は回復・加速し、2015年以降は顕著な伸びを示した。希薄化後1株当たり利益は基本EPSとほぼ同様の推移をたどり、2012年の低下を経て2017年には7.74米ドルへ達している。基本EPSと希薄化後EPSの差は常に小さく、両指標は共に同様の動きを示している。1株当たり配当金のデータは欠損しており、配当政策の読み取りはできない。

1株当たり基本利益の動向

期間全体を通じて、基本EPSは2005年の0.68米ドルから2017年の7.79米ドルへと大幅に増加している。2005年から2011年にかけては安定的な成長を示したのち、2012年には約1.80米ドルへ低下する局面があった。その後、2013年以降は再び回復し、2014年以降は成長ペースが加速している。特に2015年以降は年次ごとの伸びが顕著で、2015年3.59米ドル、2016年5.43米ドル、2017年7.79米ドルへと着実に上昇している。

希薄化後1株当たり利益の動向

希薄化後EPSも基本EPSと同様の推移を示しており、2005年0.67米ドルから2017年7.74米ドルへと成長している。2012年には約1.76米ドルへ低下する局面があり、その後は回復基調を取り戻して再び上昇した。2015年以降は特に強い成長がみられ、2015年3.56米ドル、2016年5.39米ドル、2017年7.74米ドルへと進んでいる。基本EPSと比べても差は小さく、両指標はほぼ同様の動きを示している。

1株当たり配当金のデータ

配当金の1株当たりデータはすべて欠損であるため、配当政策や実際の支払実績をこのデータセットからは読み取れない。