損益計算書
損益計算書は、一定期間にわたる企業の事業活動の財務結果に関する情報を示しています。損益計算書は、会社が期間中にどれだけの収益を生み出したか、そしてその収益を生み出すことに関連してどのような費用がかかったかを伝えます。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-06-30), 10-K (報告日: 2020-06-30), 10-K (報告日: 2019-06-30), 10-K (報告日: 2018-06-30), 10-K (報告日: 2017-06-30), 10-K (報告日: 2016-06-30).
- 売上高の推移
- 過去6年間にわたり、収益は一貫して増加している。2016年の11億6678万ドルから2021年には15億ドル超に達しており、年平均成長率は約8%である。この持続的な成長は、市場での競争力の向上やサービスの拡大を反映していると考えられる。
- 収益構成の変化
- 専門家雇用者組織(PEO)の収益は、年度を追うごとに増加し、2016年の約3億5600万ドルから2021年には約4億8144万ドルに達している。これにより、全体の収益に対するPEO事業の寄与率は高まっており、ビジネスの主要な収益源であることが示唆されている。また、クライアントが保有する資金に対する利息収入や資産売却益なども一定の寄与を示している。
- コストと利益の動向
- 運営費用は継続的に増加しており、2016年の6億2500万ドルから2021年には7億5200万ドルに上昇している。一方、売上原価やシステム開発コストも同様に増加しており、粗利益は堅調に増加しているが、その伸びは収益の増加に比べて徐々に鈍化している可能性がある。これにより、利益率は一定の範囲内で推移しており、コスト管理の効率性が維持されていることが窺える。
- 営業利益と純利益の推移
- 営業利益は年度を通じて堅調に増加し、2016年の約2.2億ドルから2021年には3.3億ドルを超えている。これは、売上の増加とコスト管理の結果と考えられる。また、利息収入やその他の収入の増減も含めて、事業全体の純利益は2016年の約1.49億ドルから2021年には約2.60億ドルに上昇しており、持続的な収益性の向上を示している。
- 投資活動と資産の状況
- 資産の売却益や投資売却益は一定の水準を維持しており、特に売却益は年度により変動があるものの総じて収益の一部を補完している。資産の減損事象も見られ、これが財務上のリスク要因となる可能性が示唆される。年度を追うごとに資産運用の方針や評価方法に変化があることが伺える。
- 税金と法規制の影響
- 法人税引当金も年度ごとに増加しており、税負担の増加や税制の変化を反映している可能性がある。ただし、当期純利益は税引前利益に比して安定して推移しており、税負担を考慮した上での財務パフォーマンスは堅調であると考えられる。
- 総合的な評価
- 全体として、収益の堅実な増加、営業利益の拡大、純利益の安定した成長が見られ、持続的な事業拡大と収益性の向上が示されている。一方で、コストの上昇や資産の減損、税負担の増加など、潜在的なリスク要因も存在するため、今後もコスト管理や資産の最適化が重要となると考えられる。