Allergan PLC (NYSE:AGN)

売上総利益率

2015年から2019年にかけて、売上総利益率は顕著に高い水準を維持しており、2016年にピークの87.23%に達している。その後、2017年以降は若干の減少傾向を示しつつも、80％台半ばから8割台後半で安定している。これにより、同企業の販売活動においてコスト効率や価格設定の効果が持続していると考えられる。

営業利益率

2015年には負の値を示していたが、2016年に改善し、-12.53%まで回復した。その後はマイナス圏で推移し続け、2017年から2019年にかけて-37.15%、-39.57%、-27.63%と、継続的に営業利益が圧迫されている状態が観察される。これは、営業コストの増加や収益性の低下を示唆している可能性がある。

純利益率

2015年には高い102.76%を記録したが、その後は大幅な低下を見せ、2017年以降はマイナス圏に入っている。特に2017年から2019年にかけて約-26%から-33%の範囲で推移し、純利益の減少及び収益性の悪化を反映している。なお、高い2015年の値は単年度の特殊要因や特定の一時的な利益に起因する可能性がある。

自己資本利益率 (ROE)

2015年の5.11%から2016年に19.65%へと著しい改善を見せたが、その後は負の値に転じ、2017年以降は-9.06%まで低下している。これは、自己資本に対する収益性の著しい悪化を示しており、財務の健全性や利益獲得能力の低下を示唆している。

総資産利益率 (ROA)

2015年には2.88%と比較的低いが、2016年には11.61%まで改善した後、2017年以降はマイナス圏に落ち込み、2018年・2019年ともに-5%以上に悪化している。これは、資産の効率的な運用が行われていないことや収益の悪化を示している可能性が高い。

売上高の推移について

2015年から2019年にかけて、純売上高は一時的な減少を示した2016年を除き、概ね堅調に推移している。2016年の売上高は一時的に下落したものの、その後2017年度に回復し、2018年度と2019年度においても高い水準を維持していることから、市場における需要の堅牢性が示唆される。

粗利益の動向について

粗利益額は2015年から2019年にかけて増加基調を示しており、特に2016年と2017年には顕著な増加を見せている。2015年度の粗利益は約10億2千万ドルであったが、2017年度には約13億7千万ドルに達しており、総じて売上の増加とともに粗利益も伸びていることが明らかである。ただし、2018年度以降は横ばい傾向にあり、利益の伸びが鈍化している可能性も示唆される。

売上総利益率の変動について

売上総利益率は非常に高く、2015年には68.08%であったが、その後、2016年には一時的に87.23%に急騰し、その後は86%台前半で推移している。2019年度には84.5%とやや低下しているものの、依然として高い利益率を維持しており、コスト管理の効果や高付加価値商品の存在を示唆している。これらの変動は、販売構成の変化やコスト構造の調整によるものと考えられる。

総評それに基づく見解

全体として、売上高と粗利益の両面で堅調な成長を示しており、売上総利益率も高水準を維持していることから、収益性の高い事業運営が行われていると推測される。一方で、利益率の変動や売上高の変動から、市場環境やコスト構造の変化に対する敏感さも示唆されるため、今後の持続的な成長には、収益の安定性の確保とコスト効率の向上が重要となると考えられる。

営業損失の傾向

営業損失は2015年から2016年にかけて縮小傾向にあり、その後2017年から2018年にかけて著しく拡大し、2018年末には最も大きな損失を計上した。その後2019年には再び損失額が縮小に向かい、改善の兆しが見られる。

純売上高の動向

純売上高はおおむね増加傾向にあり、2015年の150億7千万ドルから2019年には16億9千万ドルに達している。2017年には一時的に前年の約140億ドルから増加し、その後も緩やかに増加を続けている。

営業利益率の変動

営業利益率は2015年には-20%と比率は低かったが、その後一時的にマイナス幅が縮小し2016年の-12.53%に改善した。しかし、2017年以降は大幅に悪化し、2018年には-39.57%まで下降した。その後2019年には改善傾向を示し、-27.63%となった。全体としては、営業利益率の変動は大きく、特に2017年と2018年にかけて深刻な利益圧迫が見られる。これは収益性の面で不安定さを示唆している。

当該企業の株主に帰属する当期純利益は、2015年には約39億ドルを記録し、その後2016年には約149億ドルへと大きく増加したことが示されている。

しかしながら、2017年以降は純利益が大幅に減少し、2017年には約-4.13億ドルの損失を計上し、その後も赤字を継続している。2018年及び2019年には約-5.10億ドルと約-5.27億ドルの損失が続いている。

純売上高は、2015年には約150億ドルであったが、2016年にはやや減少した後、2017年には約159億ドルと増加している。ただし、その後2018年と2019年には若干の減少傾向を見せているが、いずれも約157億ドルから約161億ドルの範囲内にとどまっている。

純利益率については、2015年は約26%の純利益率を示していたが、2016年には約103%に大きく跳ね上がった。これにより、2016年の純利益が非常に高いことが反映されている。しかし、その後は2017年以降、赤字に転じているため、純利益率はマイナスに転じ、2017年から2019年までそれぞれ約-26%、-32%、-33%と継続して低下している。

総じて、当該企業は2015年から2016年にかけて大きな利益の増加を記録したものの、その後は収益性の大きな悪化が続いていることが特徴である。特に純利益率の急激な変動と赤字の継続により、財務の安定性には懸念が示唆される。

株主に帰属する当期純利益(損失)の動向

2015年から2016年にかけて大幅に増加し、高値を記録している一方、その後は大きく減少している。特に2017年以降は純利益が赤字に転じており、2017年から2019年までの期間において一貫して損失が続いていることが示唆されている。これにより、同社の収益性は2016年までの好調期をピークに、その後悪化していることが読み取れる。

株主資本の動向

株主資本は2015年から2016年にかけてほぼ横ばいに推移しているが、その後減少傾向にある。特に2017年以降は約10億米ドル以上減少しており、株主持分の縮小が続いていることが分かる。この傾向は、純利益の赤字と連動して株主資本の減少をもたらしている可能性が高い。

ROE（自己資本利益率）の推移

ROEは2015年に5.11%と比較的良好な水準を示していたものの、その後は急激に低下し、2016年には19.65%まで上昇したものの、2017年以降はマイナスに転じている。特に2017年以降のROEが継続的にマイナスで推移していることは、収益性の著しい悪化と資本効率の低下を示している。これにより、同社の資本に対する利益獲得能力が著しく低下していることが明らかとなる。

総合評価

2015年から2016年にかけて一時的に収益と指標が改善したものの、その後の数年間で純利益の赤字と株主資本の減少が顕著に進行している。特に2017年以降の財務パフォーマンスの低迷は、収益性の低下と資本の減少が同時に進んでいることを示しており、業績再建には顕著な取り組みが必要とされる状況にあると考えられる。

当期純利益の動向

2015年から2016年にかけて、株主に帰属する当期純利益は大幅に増加し、1,497万ドルに達しているが、その後2017年以降は赤字に転じており、2019年には約527万ドルの損失が計上されている。この傾向は、収益性の改善期とその後の大幅な低迷を示している。

総資産の推移

総資産は2015年の約1,358億ドルから2019年の約949億ドルまで着実に縮小している。この期間に総資産は約30％の減少を示し、資産規模の縮小傾向が見られる。

ROA（総資産利益率）の変化

ROAは2015年には2.88%と比較的高い利益率を示していたが、2016年には11.61%へ上昇し、好調な利益性を示している。その後はマイナス領域に入り、2017年には-3.49%、2018年には-5.01%、2019年には-5.57%と悪化の一途をたどっている。これは、収益性の低下や資産効率の悪化を反映していると考えられる。

総合所見

総じて、当期純利益は2015年の大きな黒字から、その後の継続的な赤字に転じていることから、収益性の悪化傾向が見受けられる。総資産の縮小は、資産規模の縮小や資産効率の悪化を示し、ROAの継続的な悪化は、経営効率の低下や収益性の喪失を示唆している。これらの指標からは、経営基盤の脆弱化や収益構造の変化が進行している可能性が示されており、事業の健全性に注意を要する状況と考えられる。