貸借対照表の構造:負債と株主資本
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2021-09-30), 10-K (報告日: 2020-09-30), 10-K (報告日: 2019-09-30), 10-K (報告日: 2018-09-30), 10-K (報告日: 2017-09-30), 10-K (報告日: 2016-09-30).
- 負債構成の変化
- 総負債に対する短期借入金の割合は、2016年の約3.91から2021年には0.93へと低減しており、短期の金融負担が縮小したことが示唆される。一方、流動負債の比率は2016年の17.2から2021年の12.3へと減少し、短期負債の圧縮傾向を反映している。長期借入金の割合は、2017年の49.47のピークから2021年には31.76と低下しており、長期負債の削減及び資本構成の変化が見られる。
- 負債の内訳と動向
- 非流動負債の割合は全期間を通じて高い水準を維持し、2016年の52.97から2021年の43.74へと緩やかな減少傾向にある。特に、繰延法人税やその他の負債の割合は2018年に10.66に達した後、その水準を維持している。負債全体の中で、額面金額を超える資本の比率は概ね35%台で推移し、資本構造の厚みを示している。
- 資本金と株主資本の動き
- 普通株式の割合は2016年の1.3から2021年には0.68へと減少しており、資本金の相対的な比重は縮小しているが、額面金額を超える資本の比率は上昇し、資本増強の傾向が読み取れる。剰余金の割合は同期間で23.37から25.67へと緩やかに増加し、内部留保の積み増しが進んだことを示している。株主資本の比率は2016年の29.83から2021年に43.96へと堅調に上昇し、財務の安定性が高まっていると考えられる。
- 収益性と資本効率
- 総負債と株主資本の合計に対し、株主資本の割合は増加しており、これにより自己資本比率の向上が示される。特に2018年以降、株主資本の比率は顕著に増加し、財務の安定性や資本効率の改善につながっている。また、財務省の普通株式コストは引き続き負の値を示し、株式コストの低下傾向も観察される。
- 総括
- 全体的には、負債の圧縮とともに自己資本の比率が向上しており、財務構造の健全化が進んでいると考えられる。特に、短期借入金の削減と自己資本の拡大は、財務の流動性と安定性の改善に寄与していると評価できる。一方で、一部負債の割合は変動しているものの、依然として高い非流動負債比率を維持しており、長期的な負債管理の継続が重要となる。これらの動向は、企業の資金調達戦略や財務健全性の向上を示唆している。